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ユーロラックSerge導入ガイド

Random*Sourceによって蘇る伝説のシンセサイザー

Buchlaと並び現代のユーロラックの世界に大きな影響を与えた西海岸シンセサイザー、Serge。誕生の頃よりDIY精神で回路を公開してきた伝説のシンセサイザーには様々なバージョンが存在します。ここでは簡単にSergeの歴史を紹介、ユーロラックでSergeを楽しむためのポイントもご紹介します。ClockfaceのRandom*Sourceの商品ページはこちら

Random*Source Serge

Sergeシンセサイザーの歴史

Sergeシンセサイザーは70年頃からSerge Tcherepnin氏によって開発されてきた、Buchlaと並ぶ西海岸スタイルのシンセサイザーです。'65年頃、日本製トランジスターラジオの回路基板上のポイントを触ると変わった音が出ることを発見したSerge氏は、そういったパッチポイントをポット(ノブ)やジャックの形で表に出し、ユーザーにアクセスさせることで従来の楽器にはない音を出す電子楽器を作れることに気づき、シンセサイザーの開発に興味を持ちました。

そんな中Sergeは当時既にBuchla100シリーズの開発にも携わっていたMorton Subotnickと出会って意気投合、当時働いていたCalArtsで、学生への教育目的も兼ねた本格的な西海岸シンセサイザーの開発をスタートさせました。75年頃までの初期Sergeはコスト削減の為パネルの印刷は紙を張り付けて行っていたのでPaperfaceと呼ばれることもあります。その頃から現代に至るまで、Serge氏によって開発された回路が広い意味でSergeシンセサイザーと呼ばれています。個々のモジュールは開発された時期により第一世代、第二世代・・と呼ばれることがあり、Paperface期が第一~第二世代、DSGやTKB、VCFQといった著名な傑作モジュールが第三世代、Wilson Analog Delayなどが第四世代になります。

paperfacePaperface Sergeを金属パネルで復刻した73-75

 86年頃まではSergeは自身の会社、Serge Modular Music Systems(SMMS)でSergeを開発、生産していましたが、その後デジタルシンセやMIDIの登場により氏はシンセの開発から距離を置くようになります。それまでに開発されたシンセの製造に関してはSound Transform Systems(STS)というメーカーがSergeの資産を引き継ぎ、90年代はSTSの名の下で生産・販売を細々と続けていました。

その後のシンセDIYコミュニティがインターネット上で発達するとSergeも徐々にリバイバルしていきます。SergeDIYコミュニティの中から、回路図を元に基板とパネルを作り、Serge氏の許可を得て販売するシンセデザイナーやメーカー(Ken Stone,Elby,73-75等)が2000年過ぎから登場しはじめました。ユーロラックフォーマットが爆発的に盛り上がっていく中でSergeのDIYモジュールもユーロラックバージョンが登場し、またSergeの哲学にインスパイヤされたMake Noiseが大ヒットしたりと、ユーロラックを通してSergeの持っていたコンセプトが現在のモジュラーユーザーにも受け入れられていきます。

そんな中現れた、ユーロラックSergeの決定版ともいえるメーカーがドイツのRandom*Sourceです。Serge氏を実際に"Chief Innovation Officer"に迎えて協業し、過去のモジュールのアップデートや近代化、新しい第5世代のモジュール開発などを始めました。

Random*Sourceの登場により、ハイクオリティでメーカー製造品のSergeが今までとは段違いに手に入りやすくなりました。またSergeはいくつかのモジュールがまとまったセットパネルでの販売が中心でしたが、R*Sではモジュール単位で販売されているので、好きなSergeモジュールだけを好きなだけ使ってシステムを組むことができるようになりました。自身オリジナルのSergeシステムを組むには今が一番やりやすい時代になったのです。次のセクションではオリジナルSergeを組む上での注意点やTipsを紹介します。

 

ほとんど表に出ることのないSerge氏ですが、2年前にWaveshaper Mediaからのインタビューを受け、公開されています。

Sergeシンセサイザーの特徴

Sergeシンセサイザーには次のような際立った特徴があります。

  • シンセを構成する最小単位とも言える単純な回路にまで切り分けてモジュール化されている
  • 一見音楽的とは言えない入出力ポイントまでパッチできるようになっている
  • どのモジュールも時間レンジの幅が広く、1ミリ秒のオーディオから、30秒かかって変換するCVまで処理/生成できる

こういった特徴のおかげで、Sergeのモジュールはどれもパッチ次第で極端に多くの機能を引き出すことが可能です。例えば電圧変化を遅らせるSlew回路は、SergeのシステムではオシレーターやLFO、フィルター、ディバイダーなどの機能を果たす重要モジュールです。シーケンサーをオシレーター波形でクロックさせて倍音やサブハーモニックを作ったり、CVにフィルターを適用してスルーとして使用できます。また電圧コントロールを利用することで、時間レンジを極端に幅広く変化させたり、多数の入出力を活かし、出力を入力に戻すフィードバックパッチがやりやすいこともSergeの特徴です。

Sergeシステムの中核モジュール

Sergeシステムをユーロラックに導入するとして、どんなモジュールから始めればいいのでしょうか?Sergeではパッチングでプログラムする抽象的なモジュールが多く、実際に組み合わせてパッチしてみないと分からない部分も大きいと思います。まずはDSGやSSGといったいかにもSergeらしい多機能モジュールを2つ、加えて気に入った音関係のモジュール(オシレーターやフィルター、ウェイブシェイパー等)を1つか2つ使えば十分に色々なパッチを試せるでしょう。そんなバランスでモジュールを選んでみると例えば次の4つになります。

※2023年にSSGのアップデート版となるGTO、2024年にDSGのアップデート版となるGTSがリリースされ、機能追加に加えオーディオレートでの動作性能がさらに向上しました。以下でもDSGをGTSに、SSGをGTOに読み替えてください。

Serge始めにお勧めのモジュール4選

  • Random*Source Serge GTS

    ¥89,900 (税抜 ¥81,727)
    In Stock
    電圧プロセッサーの追加やオーディオレートでの動作が向上したDUSGの後継モジュール

    MUSICAL FEATURES Serge GTSは、Serge Dual Universal Slope Generator(DUSG)のSerge自身による完全な再設計で、新しいコアを備え、スピードとトラッキングが最適化されています。CVに使用できるだけでなく優れたオーディオ性能も提供し...

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  • Random*Source Serge New Timbral Oscillator (NTO)

    ¥57,900 (税抜 ¥52,636)
    In Stock
    高音質・多用途のマルチモードVCF。サブオーディオ・レンジでの作動によりCVプロセッシングも可能

    MUSICAL FEATURES The NTO is an analog oscillator that forms the core of the Serge system.It is characterized by a combination of vintage sound a...

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  • Random*Source Serge New Timbral Oscillator (NTO)

    ¥95,900 (税抜 ¥87,182)
    Pre-Order
    ビンテージな音質と高精度を兼ね備えたSergeの中核アナログオシレーター

    MUSICAL FEATURES The NTO is an analog oscillator that forms the core of the Serge system.It is characterized by a combination of vintage sound a...

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  • Random*Source Serge GTO

    ¥69,900 (税抜 ¥63,545)
    In Stock
    Serge氏により新しくデザインされた超多機能、高精度、ハイスピードなラグ&ホールドプロセッサー

    MUSICAL FEATURES Serge GTOは、Smooth & Stepped Generator(SSG)の進化版であり、安定性、精度、および速度にフォーカスして新しく再設計された、デュアル ' ラグ&ホールド 'デバイスです。SSGと同様に、幾つかの側面で異なる2つのセク...

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DSGはDUSGとも呼ばれ、Make Noise Mathsのインスピレーション元にもなった、Sergeの中でも最も多くの機能をこなす究極のアーミーナイフモジュールで導入をお勧めします。DSGが2つあっても十分に使い出はあるでしょう。マルチなDSGのポテンシャルをパッチ後半まで残すため、VCA用のエンベロープは別にExtended ADSRを使うのも良いでしょう。VCFQはフィルターですが、短いパルスをフィルターに入力して一瞬発振させてパーカッシブなサウンドを作る、ピンギングに向いていることで有名なモジュールです。音のプロセス重視でVCFQ以外の候補としてはVCMRESEQ挙げられます。NTOはSergeのフラッグシップオシレーターですが、Sergeには他にも発振源がたくさんあるので、正確なトラッキングが重要でなければNTOを外し、2個目のDSGを入れるのも良いでしょう。SSGはDSGに次ぐSergeのアーミーナイフモジュールです。DSGでは(正確には)できないサンプル&ホールドを行い、Couple出力はゼロクロス検知にも使えます。オーディオレンジにも対応する為ユニークなウェーブシェイピングも可能です。DSGとSSGを組み合わせるとかなり強力ですが、SSGはDSGより難解なので避け、SEQ8XLとDSGを組み合わせても良いと思います(SSGの場合とできることは全く異なります)。

システムとしてのバランスを考えて4つのモジュールのセットや代替案を上に提示しましたが、このセットではVCAの機能が(DSGで可能ですが)弱いので、後述のように他社製でも良いのでVCAが最低限あると良いでしょう。また複数のモジュールを組み合わせたパネルセットの内容を見ると、モジュール選びも参考になるかもしれません。

 


Sergeと相性の良い他メーカーモジュール

ユーロラックでSergeを組むメリットとして、他社製のモジュールも簡単に導入できる点があります。今までに開発された全てのSergeモジュールがユーロラックで存在するわけではないので、他社モジュールを入れることでパッチの幅が圧倒的に広がるでしょう。あくまでSerge主体のシステムを想定して、下のリストでは比較的シンプルなものを選びました。

ユーロラックSergeシステムに他社製モジュールも組む場合、電圧レンジの違いに注意しましょう。ユーロラックのオシレーターがPeak to Peakで10V (10Vpp)なのに対し、Sergeの出力電圧は4〜5Vppです。ラインレベル(〜2Vpp)程小さくはありませんが、他社製品と使用する場合は必要に応じてシグナルのブースターやアッテネータを通してください。

VCA

現行のR*S SergeではEqual Power Stereo Mixerのように大がかりなVCAしかラインナップされていない為、他社製のVCAを導入するのもお勧めです。CVの処理もできてゲインブーストでき、オフセット(バイアス)コントロールが独立してついているものがベストです。Intellijel Designs Quad VCAはBoostスイッチで出力音量を倍にでき、CV入力はSerge標準の5Vでユニティゲインとなります。その為Sergeと相性がよく、CV inにDSGなどのエンベロープ、シグナル inにNTOなどのSergeモジュールからの出力をパッチしている場合でも、BoostスイッチをONにするだけで出力レベルがかなりユーロラックレベルに近づきます。

クロックディバイダー

クロックディバイダーはSergeモジュールとしては存在するもののR*Sのユーロラック Sergeには専用モジュールとしてはまだラインナップされていません。パッチしていて"ここでクロックディバイダーが欲しいな"なんて思う人は是非多出力のクロックディバイダーを使いましょう。4ms RCDが省スペースでおすすめの一つです。R*S Sergeからのゲートでの動作確認済みです。オーディオレートでの反応は限定的です。

クォンタイザー

せっかくならSergeの柔軟性を活かしつつも12音階に沿った音も出したい、という方はクォンタイザーの導入もお勧めです。

エフェクト・スプリングリバーブ

おまけ程度でもやはりエフェクトが欲しいという方もいるでしょう。Happy Nerding FX Aidなどコンパクトなマルチエフェクトはお勧めです。またスプリングリバーブはSergeでも定番のエフェクトです。R*Sからリバーブはリリースされていないので、Intellijel Springrayを使うのもお勧めです。

マルチプル

本来4UのSergeはバナナケーブルを使うので、何本もスタックし、シグナルを分岐することができます。ユーロラックでもTiptopのStackcableで可能ですが、バナナケーブルよりも耐久性が低いので、分岐を多用する場合はマルチプルも併用してください。

バナナケーブルを使用した4UのSerge

Sergeシステムの補完にお勧めの他社製モジュール

  • Intellijel Designs Quad VCA

    ¥35,900 (税抜 ¥32,636)
    Pre-Order
    充実した機能と高品質を兼ね備えた4CH VCAミキサー

    MUSICAL FEATURES Quad VCA is four high-performance 4CH VCA mixers which delivered VCA to 12HP of high quality. The output becomes the mixer of the...

    View full details
  • 4ms Rotating Clock Divider (RCD)

    ¥29,900 (税抜 ¥27,182)
    Pre-Order
    4HPの定番かつ実験的なクロックディバイダー!

    MUSICAL FEATURES Compact clock divider Rotating Clock Divider (RCD) with unique split CV control. Divides the input clocks at various ratios and o...

    View full details
  • Happy Nerding FX AID (Silver)

    Out of Stock
    カスタム可能でコンパクトなステレオ・マルチエフェクター

    MUSICAL FEATURES Happy Nerding?FX AIDは、オリジナルでプログラムされた沢山のエフェクトをロードできる、Spin FV-1ベースのコンパクトなステレオマルチエフェクターです。8つエフェクトを格納するバンクを4バンク備え、その中に32のエフェクトがデフォルトで搭...

    View full details
  • WMD Buffered Mult

    Out of Stock
    LEDつきの3チャンネルバファードマルチプル

    MUSICAL FEATURES Multiple module with 3X3 output. If the input of each channel is not patched, the input signal of the previous channel is intern...

    View full details

Sergeお役立ちリンク集

 

 

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