Qu-bit Electronix Nautilus
Format: Eurorack
Width: 14HP
Depth: 22mm
Current: 151mA@+12V, 6mA@-12V
Format: Eurorack
Width: 14HP
Depth: 22mm
Current: 151mA@+12V, 6mA@-12V
Nautilusは、海底通信とその環境との相互作用に着想を得た複雑なディレイ・ネットワークです。魅力的な方法で接続・同期できる8つのユニークな遅延ラインで構成されるNautilusが自身のソナー・システムを発動するたびに、生成された地形が内部または外部クロックに同期したディレイによって姿を表します。
複雑なフィードバックの相互作用がサウンドに深度を与えると同時に、関連するディレイラインが音の欠片をあらゆる方向へと散りばめます。ステレオ・レセプタ、ソナー周波数、およびNautilusと周囲との空間を濾過する水生物質を設定することで、ディレイラインを更に操作できます。
Nautilusは、内部または外部クロックで動作することができます。内部クロックはタップテンポ・ボタンで設定可能で、シンプルに任意のテンポでタップすることで、モジュールの内部クロックがそのテンポに追従します。
クロックの周期を定義するためには、最低2回のタップが必要です。起動時のデフォルトの内部クロック周期は常に120BPMです。
外部クロックの場合は' Clock In Gate Input 'を使ってNautilusをクロックソース、またはゲート信号などに同期します。クロックの周期はフロントパネルの' Kelp LED 'インターフェイスに示されます。このクロックを示すLEDの点滅は、Resolution, Sensors, Dispersalといった各ノブにも影響を受けます(後述参照)。
クロック周期の最小値は0.25Hz(4秒)、最大値は1kHz(1ミリ秒)です。
クロック速度の徐算値または乗算値を定義し、その値をディレイに適用します。徐算/乗算の範囲は内部と外部クロックで同様で、以下の通りです。
新しいResolution位置が選択されるたびに、Kelp LED UIが白色にフラッシュしてモジュールの動作が変わったことを示します。
Nautilusのディレイ・ネットワークで有効となるディレイラインの数をコントロールします。使用できるディレイラインの数はチャンネルごとに4つの合計8つで、単一のクロック信号から複雑なディレイの相互作用を作成できます。
ノブが最小値の設定では、各チャンネルで1つのディレイラインのみ(計2つ)が有効となり、最大値の設定でチャンネルごとに4つ(計8つ)が使用できます。ノブを最小値から最大値に向けて操作すると、信号経路にディレイラインが追加されていくことが確認できます。
各ラインは最初かなりタイトで、ヒットごとに素早い連射となります。ディレイ・ネットワークのSensorsが追加される、または除外されるたびにKelp LEDが白色に点滅します。
ディレイラインの機能を最大限に引き出し、活用するには次項' Dispersal 'も併せてご覧ください。
Dispersalは、Sensorsと連携し、Nautilusで現在有効なディレイライン間の間隔を調整します。調整される間隔の量は利用可能なディレイラインとResolutionパラメータに大きく依存し、単一の信号から興味深いポリリズムやストラム、または不協和音を作成することができます。
有効なセンサーが1つのみの場合、Dispersalは左右のディレイ周波数をオフセットする、ディレイの微調整として機能します。
Reversalは、逆再生されるディレイラインをコントロールします。このパラメータは単純なon/off以上のものであり、ディレイ・ネットワーク全体を理解することで、強力なサウンドデザイン・ツールとしての可能性を最大限に引き出すことができます。選択したSensorがひとつの場合、Reversalの範囲はディレイの反転なし、ディレイの反転1つ(左チャンネル)、両ディレイの反転(左右のチャンネル)となります。
NautilusがSensorsを使用してディレイラインを追加すると、Reversalは各ディレラインを段階的に反転します。ノブの最小値では反転なし、最大値ではすべてのディレイラインが反転します。
反転の順序は、1L(左チャンネルの第一ディレイライン)、1R(右チャンネルの第一ディレイライン)、2L、2Rです。
反転されたすべてのディレイは、ノブ値を範囲内のスポットよりも下に戻すまで反転されたままになることに留意してください。
Note: Nautilusのフィードバック・ネットワークを動かす内部アルゴリズムの性質上、ShimmerおよびDe-Shimmerモードでは反転されたディレイラインがピッチシフトの前に一度リピートします。
Data BenderのCorruptパラメータによく似たパラメータ' Chroma 'は、水中の音響や海洋物質、デジタル干渉や損傷したソナーの受容体などをエミュレートする、内部エフェクトとフィルターのコレクションです。
各エフェクトはフィードバック経路内で個別に適用されます。これは、あるエフェクトを単一のディレイラインに適用した場合、このエフェクトはそのディレイラインの期間だけ存在し、次のディレイラインには全く別のエフェクトを配置できることを意味します。これにより、フィードバック経路内での複雑なエフェクトのレイヤリングが可能となり、単一のサウンドソースから広大な質感の空間を作成することができます。
ChromaのエフェクトはKelp LEDで示され、色分けされます。各エフェクトの詳細、および各々に対応するLEDの色は下記をご覧ください。Depthパラメータのセクションでは、Chromaのエフェクトの使用法を解説しています。
Oceanic Absorption
ディレイ信号に4-poleのローパスフィルターを適用します。Depthが最小値の場合はフィルタリングが適用されず、値を上げるほどフィルタリング効果が強くなります。青色のKelp LEDで示されます。
White Water
ディレイ信号に4-poleのハイパスフィルターを適用します。Depthが最小値の場合はフィルタリングが適用されず、値を上げるほどフィルタリング効果が強くなります。緑色のKelp LEDで示されます。
Refraction Interference
ビット・クラッシャーとサンプルレート・リダクションのコレクションです。Depthノブで各エフェクトの変化量の設定範囲をスキャンできます。紫色のKelp LEDで示されます。
Pulse Amplification
ディレイに温かく、柔らかいサチュレーションを適用します。Depthが最小値の場合はサチュレーションは適用されず、値を上げるほどサチュレーション効果が強くなります。オレンジ色のKelp LEDで示されます。
Receptor Malfunction
入力されたオーディオにウェーブフォールダー・ディストーションを適用します。Depthが最小値の場合はウェーブフォールディングは適用されず、値を上げるほど波形が折り畳まれる回数が増えます。青緑色のKelp LEDで示されます。
SOS
入力されたオーディオに激しいディストーションを適用します。Depthが最小値の場合はディストーションは適用されず、値を上げるほどディストーション効果が強くなります。赤色のKelp LEDで示されます。
DepthはChromaパラメータを補完するノブであり、選択されたChromaエフェクトの量をコントロールしてフィードバック経路に適用します。
Depthが最小値の時はChromaエフェクトはoffとなり、バッファへ適用されません。最大値では、アクティヴなディレイラインにエフェクトが最大量で適用されます。このノブ範囲の唯一の例外は可変ビット・クラッシャーで、ローファイ、ビットクラッシュ、サンプルレート・リダクションの設定をランダムな量で固定します。
Depthの量はKelp LEDで示され、Chromaエフェクトに適用するDepthの値が上がるにつれてKelp LEDが徐々にChromaエフェクトの各色へと変化します。
Freezeボタンは、現在のディレイタイムのバッファをロックし、ボタンを離すまで保持します。Freezeがアクティヴな時はウェット信号はビートリピート・マシンとして機能するため、凍結されたバッファの解像度を変更することで、クロック周期と完全に同期を保ったままで、ディレイから新しく興味深いリズムを作成できます。
この凍結されたバッファの長さは、クロック信号、およびバッファを凍結した時のResolutionの周期の両方で決定され、最長時間は10秒となります。
Freeze Gate入力のスレッショルドは0.4Vです。
Delay Modeボタンを繰り返し押すことで、4種類のユニークなディレイを順次切り替えて選択します。さまざまな水中音響機器を用いて水中の世界でマッピング、通信、およびナビゲートするのと同様に、Nautilusは「生成されたディレイをどのように経験するか」を再評価するための一連の協力なツールを備えます。
Fade
フェード・ディレイモードでは、外部または内部のクロックレート、Resolution、またはDispersalを変更しても、ディレイタイム間をシームレスにクロスフェードすることができます。このモードでは、ボタンの上に配置されたLEDグラフィックが青色に点灯します。
Doppler
ドップラー・ディレイモードは、Nautilusの可変速ディレイタイムのバリエーションであり、ディレイタイムを変更することでクラシカルなピッチシフト・サウンドを得ることができます。このモードでは、ボタン上のLEDグラフィックが緑色に点灯します。
Shimmer
シマー・ディレイモードは、入力信号の1オクターブ上に設定されたピッチシフティング・ディレイです。シマーディレイがフィードバック経路をループし続けると、ディレイの周波数が上昇し、徐々にフェードアウトします。このモードでは、ボタン上のLEDグラフィックがオレンジ色に点灯します。
また、設定アプリとUSBドライブを使うことで、Shimmerによるディレイのピッチシフト量を5度や7度など、半音単位で変更することもできます。詳細はUSBのセクションをご覧ください。
De-Shimmer
入力信号の1オクターブ下に設定されたピッチシフティング・ディレイです。Shimmerモードとは逆に、フィードバック経路をループし続けた場合、ディレイの周波数は下降し、徐々にフェードアウトします。このモードでは、ボタン上のLEDグラフィックが紫色に点灯します。
Shimmer同様、設定アプリとUSBドライブを介してディレイのピッチシフト量を半音単位で変更することができます。
Feedback Modeボタンを繰り返し押すことで、4種類のフィードバック経路を順次切り替えて選択します。ディレイに適用される機能性と特性は、モードごとに異なります。
Normal
ノーマルフィードバック・モードは、入力信号のステレオ特性に適合するディレイを提供します。例えば、左チャンネルの入力にのみ信号が送られた場合、ディレイも左チャンネルにのみ出力されます。このモードでは、ボタン上のLEDグラフィックが青色になります。
Ping Pong
ピンポンフィードバック・モードは、オーディオ入力の初期ステレオ特性に応じて、左右のチャンネル間で前後にバウンスするディレイを提供します。例えば、左右どちらかに振り切った入力信号は、より「狭い」入力に比べて、ステレオフィールドで前後にバウンスする幅も広くなり、モノラル信号はモノラルで再生されます。このモードでは、ボタン上のLEDグラフィックが緑色になります。
How to Ping Pong a Mono Signal: Nautilusはアナログでノーマライズされた入力を備えているため、右チャンネルの入力にパッチがない場合は左チャンネルの入力信号が右チャンネルにコピーされます。ピンポン・モードをモノラル信号で利用するには、いくつかの選択肢があります。
モノラル信号をステレオ化するもう一つの方法は、Dispersalの使用です。Dispersalは左と右のディレイラインをそれぞれ他方からオフセットし、興味深いステレオのディレイ・パターンを作成します。
Cascade
カスケードフィードバック・モードは、ディレイラインを互いに直列で接続します。これは、それぞれのステレオチャンネルの各ディレイが次のディレイにフィードされ、最後に最初のディレイラインにループバックすることを意味します。
カスケード・モードは、極めて長いディレイタイムの作成に使用できます。このモードの特定の設定下では、Nautilusは最大で80秒のディレイを実現できます。
Adrift
アドリフトフィードバック・モードは、Ping PongモードとCascadeモードの組み合わせです。各ディレイラインは、反対のステレオチャンネルの次のディレイラインにフィードされます。これにより、蛇行するディレイラインのような、どのサウンドがどこから出現するかを予測できない、興味深いステレオ効果を作成します。
Sensors and Cascade/Adrift modes: Sensorsは、カスケードモードまたはアドリフトモードのいずれかの場合に、追加の機能を実行します。Sensorsが最小値に設定されている場合、これらのモードは各チャンネルの第一ディレイラインのみをウェット信号の出力に送ります。Sensorの値を上げ、ディレイラインが追加されるたびに、CascadeおよびAdriftモードでは新規ディレイラインがウェット信号出力に含まれるようになります。
視覚的な説明として、Sensorsの値を2にした場合、上の図の' 2L 'および' 2R 'からの新しいラインが、両ボックスからその隣のそれぞれの信号出力ラインに接続されるとイメージすることができます。
この相互作用を確認するパッチ例として:シンプルな、ゆったりとしたアルペジオをNautilusにパッチします。ディレイモードを' Shimmer 'に設定し、フィードバックモードを' Cascade 'または' Adrift 'のいずれかに設定します。ResolutionとFeedbackの値をそれぞれ9時程度の位置にします。Sensorsの値を2にします。この時点で、ピッチシフトされた第二ディレイラインを聴くことができます。Sensorsの値を3に上げます。これにより、原音から2オクターブ上にピッチシフトされた第三ディレイラインが聴こえはじめます。Sensorsを4に設定した場合も同様です。必要に応じてFeedbackの値を上げると、追加の出力をはっきり聴くことができます。
このボタンを押すと、船や潜水艦でバラストをパージしたり、ダイビング中にレギュレータをパージするのと同様に、ウェット信号から全てのディレイラインを消去できます。パージは、ボタンが押されるか、またはゲート信号がハイになることで起動します。
Purge Gate入力のスレッショルドは0.4Vです。
Sonarは多面的な信号出力ジャックであり、Nautilusの海中での発見と、水中世界の解釈のコレクションです。本質的に、Sonar出力はNautilusのディレイのさまざまな側面によって設計された、アルゴリズムにより生成される信号のセットです。重なり合うディレイとディレイタイムのフェーズを解析することで、Nautilusは進化し続ける段階状のCVシーケンスを作成します。Sonarは、Nautilusへのセルフパッチにも、システム内の他のパラメータのコントロールにも利用できます。
また、Sonarの出力は' Nautilus Configurator Tool 'とオンボードのUSBドライブを使って設定を変更できます。設定オプションは、各ディレイタップに基づくPing信号の生成、エンヴェロープ・フォロワー、前述の重なり合うディレイに基づく加算型のステップCVシーケンサー、またはシンプルなクロック信号のコピー出力等です。詳細は次のUSBセクションを参照してください。
Sonar CVの出力幅は0Vから+5V。Sonar Gate出力の振幅は+5Vで、ゲート長は50%のデューティサイクルです。
NautilusのUSBポートと付属のUSBドライブは、ファームウェアの更新、代替ファームウェアの使用、および構成可能な追加の設定に使用します。USBドライブは、モジュールを動作させるためにNautilusに挿入する必要はありません。FAT32にフォーマットされたUSB-Aドライブであれば、任意のものを使用できます。
Configurator
NautilusのUSB設定を簡単に変更できるWebベースの設定アプリ' Narwhal 'を使って、Nautilus内のさまざまな機能や相互接続を変更できます。お好みの設定が完成したら' generate file 'ボタンをクリックして、Webアプリから' options.json 'ファイルを書き出します。
新しい' options.json 'ファイルをUSBドライブにコピーし、ドライブをNautilusに挿入します。モジュールは即座に内部設定のアップデートを実行します。アップデートの完了は、白色のKelp LEDのフラッシュで確認できます。
以下は現在Configuratorで利用可能な設定です。[ ]内は初期設定値を示します。将来的にはさらに多くの構成可能な設定が追加される予定です。