Piston Honda mkIIIはデュアルウェーブテーブルオシレータ―です。Mk2までのPiston Hondaのサウンドの傾向を継承しながらも更にモダンな機能を搭載しています。
Dual Wavetable Oscillator
Piston Honda Mk3ではオシレーターがAとBの2つ搭載されるようになり、それらはピッチから波形まで全て独立にコントロール可能です。オシレータ―の波形は、Piston HondaのトレードマークであるX/Y/Zの3次元ウェーブテーブル(8x8x8)でX,Y,Zの値をスライダーで指定することで決定します。SELECTボタンを使うことで、OSC AとBで別々の波形を選択することができます。スライダーやCVで波形を選択する際に滑らかに移り変わるかどうかを軸ごとにメニューから設定可能です。
ユニゾンモードを有効にすると各オシレータ―にはもう一つオシレーターが搭載され、ユニゾン可能です。AとBの周波数をリンクするリンクモードを有効にすれば、4オシレータ―でのユニゾンになります。
以前のバージョンと同様、Piston Hondaではオシレータ―ではなく、外部入力をウェーブテーブルによってプロセスするウェイブシェイパーとしても動作させることができます。MODEボタンでモードをプロセッサーモードに切り替え、FMインプットにプロセスしたいシグナルを入力してください。この場合周波数の大きいノブは入力ゲインの調整として機能します。
Original Wavetables
Piston Honda Mk3では、独自に作成したウェーブテーブルをロードして鳴らすことが可能です。Synthesis Technologyが開発したオープンソースの波形作成ソフト
Waveeditによって作成したウェーブテーブルをそのままロードすることができます。16bitのサンプル256点で作られた波形を8x8個連結した32kByteのwavファイル8個を1.wav,2.wav,...8.wavと名付けます。wavファイルの1~8がZ軸に相当します。マイクロSDカードのトップフォルダに置き、Piston Honda Mk3を起動してオプションメニューから"“Load Waves from SD"を選択して波形をロードしてください。オリジナルのウェブテーブルデータは
こちらです。
Preset and Menu
Piston Honda Mk3ではOLEDディスプレイを搭載し、様々なメニュー設定とその保存・呼び出しが可能となりました。メニューはオシレーターオプションメニュー(A/B独立)、グローバルオプションメニュー、プリセットオプションメニューに分けられます。メニュー設定には下記ショートカットからアクセスできます。
OSCILLATOR menu: (エンコーダーを押しながらOSC AまたはBのMODEボタンをプッシュ)
- オクターブシフト(-2 ~ +2)
- ユニゾン (0~4, -OCT, +OCT)
- 軸ごとのモーフィングの有無
- 波形CVの設定
- トーン(旧世代のPiston Hondaの音質に近づけるローファイ設定等)
OPTIONS menu:(エンコーダーを押しながらOSC Linkボタンをプッシュ)
- プリセットスコープ(プリセットにより全てのパラメータをロードするか、波形関連のパラメータのみロードするか)
- Ctl (プリセットCVとアッテネータの振舞いを選択します: offset, attenuator, triggered random preset generator, triggered preset advance)
- 起動時のプリセットモード(プリセットマネージャーを有効にして起動するか)
- 周波数ノブの働き(大きいノブが荒い周波数調整、小さいノブが細かい調整とするか、その逆か)
- 波形をマイクロSDカードから読み込みます
PRESET menu: (エンコーダーを押しながらPRESETボタンをプッシュ)
- 現在のパラメータをランダマイズ
- 現在のパラメータをプリセットに保存
- 全てのプリセットを保存
- プリセットを再呼び出し
- 全てのプリセットの初期化
- 現在のプリセットの初期化