Intellijel Shapeshifterは、Cylonixとのコラボレーションによって生まれた洗練されてディープなデュアル*デジタル*ウェーブテーブルオシレーターです。パワフルなFPGAボードを使用することで、コード生成からパーカッション、ボコーダー、エコーまで、多くの本格的なシンセサイズオプションを実現します。シグナルは25Mhzのレートで内部処理されエイリアスノイズの影響は非常に小さく高音質です。
ShapeshifterのオシレーターはOsc1とOsc2の2つで構成されており、波形はウェーブテーブルから選択します。 Osc1の周波数は中央付近のCoarseノブとFineノブ、Pitch 1インプットによって設定され、Osc2の周波数もそれに従って変化しますが、それに加えてRatioノブやCV、Pitch 2によってコントロールされます。RatioはQuantボタンをOnにするとオシレーター1と綺麗な整数比にすることができるので、ハーモニー上はもちろんのこと、リニアFMのモジュレーターとして使用する際にも不協和音になりずらいです。また右側のShape1/2ノブで各種ウェーブテーブル上の波形のコントロールを行います。
2つのVCOは、WAVE BANKボタン→エンコーダーで、それぞれのウェーブテーブルを選択可能です。ウェーブテーブルのバンクは128個あり、各バンクは8個の波形があり、その間を滑らかに移行可能(512サンプル)です。バンクを決めれば、そのバンクの中での波形はShapeノブ、及びShape CVによるボルテージコントロールが可能で、様々な波形の動きを作り出せます。
それ以外にも多彩なシンセサイズオプションがあり、設定はさまざまなボタンによってアクセス可能です。設定はプリセットにセーブ可能で、プリセットは実用的な形でシーケンスさせたり(コードのシーケンスも可能)モーフィングすることが可能です
Features
以下のような性質が特徴です。各オプションの詳細や細かい操作方法については、下の"DETAILS" をご覧ください。
- プリセットのシーケンス・モーフィング
- Thru Zero FM (TZFMについてはRubicon 2の説明をご覧ください)
- ディレイベースのレゾネーター(ルーパー的な使用も可能)
- 64バンドボコーダー
- 選択可能なオーディオレート(ACカップル)モジュレーション MOD Aは位相のモジュレーションなども可能。
- アナログウェーブフォルダー( uFold と同等)は外部シグナルにも使用できます。
- オシレーターシンクやPulseアウトプットやコンビネーション処理などで様々なオプションがあり、シンセサイズの幅を広げます。
- またMOD Bは選択可能な様々なDCモジュレーションを提供します。モジュレーションしたいパラメータのボタンを2度押ししてください。
-Combo modes
-Waveform TILT
-Overdrive (コードモード時)
-Delay depth and FB
-Decay time (パーカッションモード時)
- デチューンする8ボイスのコードではコードを64種から選択可能、純正律/平均律まで選択できます。
- パーカッションモードではオシレーターからのシグナルが、内蔵エンベロープつきのVCAを通って出力されます。DecayのモジュレーションやARモードでの動作も可能。
Interface
Firmware 2.0
ファームウェアのメジャーバージョンアップによる変更点には次の点が含まれます。
- - コードタイプがMOD Bでコントロール可能になりました(コード選択で*のついたコードを選択します)
- - オシレータ―1や2のウェーブテーブルバンクがMOD Bでコントロール可能になりました。
- - オシレータ―1と2が個別のSYNCモードを持つことができるようになり、どちらも1ショットやホールドモードが使用できるようになりました
- - INT. SYNCボタンの2度押しでシンクが1オクターブ下がるようになりました。
- - QUANTボタンの2度押しでPITCH2入力が外部クロック入力となり、オシレータ―2がそれに同期します。RATIOはクロックの分割や倍速になります
- - PULSE出力のモードが8つ増えました
- - PRESET STEPメニューに、ステップごとにプリセットがランダマイズされるモードが追加されました
- - プリセットの数が100に増え、全てのプリセットが電源を切った後もメモリーされます
COMBO MODE Button: Waveform Combinations
アウトプット1の出力はオシレーターのサウンドをもとにコンビネーション処理(アナログロジック回路のようなウェーブシェーピング処理をデジタルで行う)され、ディレイを通過したシグナルとなりますが、コンビネーション処理には以下のオプションがあります(Combo Mode Buttonで選択します)。一部のコンビネーション処理はINT.Syncした状態で行うと効果的かもしれません。
- cmb:osc1 そのままオシレーター1のサウンドが出力されます。
- cmb:ring オシレーター1と2をリングモジュレーションしたシグナルが出力されます。
- cmb: min オシレーター1と2のシグナルのうち、常に低い方の電圧のシグナルが出力されます。
- cmb:pong オシレーター1と2のシグナルで、オシレーター1が正の電圧時はオシレーター1のシグナルが、オシレーター2が負の電圧時はオシレーター2のシグナルが出力されます。どちらも成立しない時間は出力が0となります。
- cmb:inlv デジタルなのでオシレーター1と2のシグナルはどちらもビットで指定できますが、これらのビット表現を交互に取り出して結合してシグナルを生成します。
- cmb: and 2つのオシレーターのシグナルをあらわすそれぞれのビット情報を使ってAND演算を行いアウトプットします。
- cmb: xor 同様に2つのシグナルのビット情報でXOR演算(排他的論理和)を行いアウトプットします。
- cmb:gLcH 複雑な演算によってオシレーター1と2からノイジーでグリッチーなシグナルを生成して出力します。
QuantボタンONでオシレーター2をオシレーター1の16倍の周波数にして各コンビネーションを試した時の波形です。オシレーターの波形はどちらもサイン波です。
SYNC/PULSE/STEP Button: Oscillator Sync Mode
シンクはSyncインプットのシグナルが0.2Vを越えた瞬間に起こります。Syncインプットに何もパッチングされていない時はINT.Syncとなりこの場合はオシレーター1のシグナルが0を越えた瞬間に起こります。
- HardSync: シンクによって位相が0に戻される、最も一般的なオシレーターシンクです。
- SoftSync: シンクによって位相が0に戻される点はHardSyncと一緒ですが、オシレーターの位相が最初の1/4(0-90度)の場合にのみシンクします。
- RevSync: シンクのタイミングで波形の向きが逆になるオシレーターシンクです。通常のHardSync等よりもスムースで、特にINT.Syncの場合にはベースなどにも向いています。
- HoldSync: シンクがおきるとシグナルはその値をキープしたままになり、次のシンクでまた波形が走り出します。
- BumpSync: シンクがおきるとオシレーター1の場合は90度、オシレーター2の場合は45度位相を進ませます。
- 2=1 Sync: HardSyncと同様のシンクですが、これに加えて2つのシグナルの値が同じになった瞬間にオシレーター2のみもう1度シンクします。
- 1=2 Sync: 2=1 Syncのオシレーター1と2を入れ替えたシンクモードです。
- Sync Of: シンクを行いません。これはSyncインプットを用いてプリセットをステップさせる際にグリッチ音が出るのを防ぐ効果があります。またコードモードで8つの波形の位相を揃えたくないときに選択します。
各シンクの行われる様子は下の図のようになります。オシレーター1/2ともにサイン波で、黄色の矢印がシンクの起きるポイントを示しています。
SYNC/PULSE/STEP Button: Pulse Source Modes
PULSEアウトプットからは、常に0Vか5Vのどちらかの電圧を出力します。どのようなシグナルになるかはオシレーター1と2から決められ、次のようなオプションがあります。
- +o1: このモードではオシレーター1のシグナルが0Vより大きいとき5Vの値をPulseアウトプットから出力し、それ以外のときは0Vです。
- EOC : このモードではオシレーターのサイクルが終わったときに5Vになるシグナルです。オシレーターのサイクルは通常は継続しているので常に5Vとなっていますが、パーカッションモードの時はパーカッション音が終わった瞬間に0V→5Vと変化するのでパーカッション音と他の音のタイミングを関係付けるのに役立ちます。
- +o2 : このモードは+o1のオシレーター2のバージョンです。
- -o2 : このモードではオシレーター2のシグナルが0Vより小さいとき5Vの値をPulseアウトプットから出力し、それ以外のときは0Vです。
- OR : このモードではオシレーター1と2のどちらかの電圧が0Vより大きいときに5Vを出力し、それ以外の時間は0Vとなります。
- AND : このモードではオシレーター1と2のどちらの電圧も0Vより大きいときに5Vを出力し、それ以外の時間は0Vとなります。
- XOR : このモードではPulseアウトプットはオシレーター1と2の出力がどちらも0未満かどちらも0より大きいときには0Vを出力し、オシレーター1と2の出力電圧の符号が異なるときに5Vを出力します。
- gLcH : このモードでは、アウトプット1のコンビネーションモードgLcHのシグナルの符号を反映した5V/0Vの切り替えを行います。これはコンビネーションモードにgLcHを選んでいないときでも選択可能です。 ノイジーでグリッチーなトリガーを出すときにも便利です。
MOD A/MORPH Button: Mod A Destinations
MOD Aインプットは98KHzのデジタル信号へと変換され、モジュレーションに使用されますMOD AインプットはACカップルなので、緩やかに変化するCV(DCシグナル)には反応しません。MOD A/MORPHボタンを押し、ロータリーエンコーダーを使ってMOD Aシグナルのモジュレーション先を指定してください。モジュレーション先のオプションは以下のとおりです。
- Phase2 - オシレーター2の位相をモジュレーションします。
- Combo 2 - このモードでは、MOD Aのシグナルはコンビネーション処理でオシレーター2の代わりの役割を果たします。コンビネーション処理で行われるようなモジュレーション(リングモジュレーション等)を行いたい場合にはこのモードを選択し、コンビネーション処理のオプションをCOMBOボタンで選択します。
- Shape 2 - このモードではMOD Aシグナルでオシレーター2のウェーブテーブルをモジュレーションします。位相の進行もMOD Aシグナルにコントロールされるため、PITCH 2とRATIOシグナルは効かなくなり、MOD Aシグナルにピッチをコントロールされ、ノコギリ波をMOD Aに入れると元の波形を再生するようになります。ノコギリ波以外の波形を入れることでウェーブシェーピングやディストーションのように使えます。
- Voc MOD - このモードでは、MOD Aシグナルは64バンドボコーダーのモジュレーションシグナルとして利用されます。コンビネーション処理のアウトプットシグナルがボコーダーのキャリアシグナルとして使われます。ボコーダー処理によってモジュレーションソース(MOD Aインプットシグナル)のスペクトルをキャリアシグナルにマップすることができ、ボコーダー特有のロボティックなボーカルサウンドや歌うようなコードが作れます。キャリアシグナルはノコギリ波やパルス波のように倍音が多い方がボコーダーの効きが良いです。
- Phase1 - オシレーター1の位相をモジュレーションします。
- Combo 1 - このモードでは、MOD Aのシグナルはコンビネーション処理でオシレーター1の代わりの役割を果たします。コンビネーション処理で行われるようなモジュレーション(リングモジュレーション等)を行いたい場合にはこのモードを選択し、コンビネーション処理のオプションをCOMBOボタンで選択します。
- Shape 1 - Shape 2のオシレーター1のバージョンです。オシレーター1がコードモードの時はルートの音にのみモジュレーションがかかります。
- Voc CARR - ボコーダーのキャリアとしてMOD Aシグナルが使われます。
CHORD TYPE/MULTI/LOAD Button: Chord Mode
コードモードボタンを押してコードモードが有効になるとオシレーター1は8個の別々のオシレーターになり、全てのオシレーターが同じ波形を異なる周波数で出せるようになります。 これによって和音を出したりユニゾンをデチューンしながら出すことができるようになります。
デチューンの量はDETUNE/DECAYボタンを押してロータリーエンコーダーを回すことでセットできます。 デチューン量が同じ数値の時、聴感上は高周波のほうがデチューンが小さく聴こえるかもしれません。 デチューン量はMOD Bインプットからもモジュレーション可能です。DETUNE/DECAYボタンを2回押して設定してください。 またコードのチューニングは純正律と平均律で選択可能です。コードモード時にChord Type/Multi/Loadボタンを押してロータリーエンコーダーを用いて設定してください。
コードモードがアクティブになると、LCDディスプレイの上段が現在選択中のコードタイプを表示します。コードタイプはエンコーダーを回すことで設定できます。64種類のコードタイプが選択可能です。 下の表はそれぞれのコードタイプの表示のときのオシレーターのピッチを半音単位で表示したものです。 0がルートの音階に対応します。
CH:uniso 0 0 0 0 0 0 0 0 (unison)
CH: m2nd 0 0 0 0 1 1 1 1 (minor 2nd interval)
CH: M2nd 0 0 0 0 2 2 2 2 (major 2nd interval)
CH: m3rd 0 0 0 0 3 3 3 3 (minor 3rd interval)
CH: M3rd 0 0 0 0 4 4 4 4 (major 3rd interval)
CH: 4th 0 0 0 0 5 5 5 5 (4th interval)
CH:trito 0 0 0 0 6 6 6 6 (tritone interval)
CH: 5th 0 0 0 0 7 7 7 7 (5th interval)
CH:aug5 0 0 0 0 8 8 8 8 (augmented 5th interval)
CH: 6th 0 0 0 0 9 9 9 9 (6th interval)
CH: m7th 0 0 0 0 10 10 10 10 (minor 7th interval)
CH: M7th 0 0 0 0 11 11 11 11 (major 7th interval)
CH:octav 0 0 0 0 12 12 12 12 (octave interval)
CH:suboc 0 0 0 0 -12 -12 12 12 (suboctave + octave)
CH: 2oct 0 12 24 0 12 24 12 24 (octave + 2octave)
CH: min 0 3 7 0 3 7 0 3 (minor triad)
CH:minI1 12 3 7 12 3 7 12 3 (minor triad 1st inversion)
CH:minI2 12 15 7 12 15 7 12 15 (minor triad 2nd inversion)
CH: maj 0 4 7 0 4 7 0 4 (major triad)
CH:majI1 12 4 7 12 4 7 12 4 (major triad 1st inversion)
CH:majI2 12 16 7 12 16 7 12 16 (major triad 2nd inversion)
CH: sus 0 5 7 0 5 7 5 7 (suspended triad)
CH: aug 0 4 8 0 4 8 0 8 (augmented triad)
CH: dim 0 3 6 0 3 6 0 6 (diminished triad)
CH: maj6 0 4 7 9 0 4 7 9 (major 6th)
CH: maj7 0 4 7 11 0 4 7 11 (major 7th)
CH:7M1st 12 4 7 11 12 4 7 11 (major 7th 1st inversion)
CH:7M2nd 12 16 7 11 12 16 7 11 (major 7th 2nd inversion)
CH:7M3rd 12 16 19 11 12 16 19 11 (major 7th 3rd inversion)
CH: dom 0 4 7 10 0 4 7 10 (dominant 7th)
CH:7D1st 12 4 7 10 12 4 7 10 (dominant 7th 1st inversion)
CH:7D2nd 12 16 7 10 12 16 7 10 (dominant 7th 2nd inversion)
CH:7D3rd 12 16 19 10 12 16 19 10 (dominant 7th 3rd inversion)
CH: min7 0 3 7 10 0 3 7 10 (minor 7th)
CH:7m1st 12 3 7 10 12 3 7 10 (minor 7th 1st inversion)
CH:7m2nd 12 15 7 10 12 15 7 10 (minor 7th 2nd inversion)
CH:7m3rd 12 15 19 10 12 15 19 10 (minor 7th 3rd inversion)
CH:hdim7 0 3 6 10 0 3 6 10 (half diminished 7th)
CH:7h1st 12 3 6 10 12 3 6 10 (half diminished 7th 1st inversion)
CH:7h2nd 12 15 6 10 12 15 6 10 (half diminished 7th 2nd inversion)
CH:7h3rd 12 15 18 10 12 15 18 10 (half diminished 7th 3rd inversion)
CH: dim7 0 3 6 9 0 3 6 9 (diminished 7th)
CH:7d1st 12 3 6 9 12 3 6 9 (diminished 7th 1st inversion)
CH:7d2nd 12 15 6 9 12 15 6 9 (diminished 7th 2nd inversion)
CH:7d3rd 12 15 18 9 12 15 18 9 (diminished 7th 3rd inversion)
CH: 7sus 0 5 7 10 0 5 7 10 (suspended 7th)
CH:7s1st 12 5 7 10 12 5 7 10 (suspended 7th 1st inversion)
CH:7s2nd 12 17 7 10 12 17 7 10 (suspended 7th 2nd inversion)
CH:7s3rd 12 17 19 10 12 17 19 10 (suspended 7th 3rd inversion)
CH:D9th 0 4 7 10 14 14 7 10 (dominant 9th)
CH:9D2nd 12 16 7 10 14 14 7 10 (dominant 9th 2nd inversion)
CH:Dm9th 0 4 7 10 13 13 7 10 (dominant minor 9th)
CH:Dm9-2 12 16 7 10 13 13 7 10 (dominant minor 9th 2nd inversion)
CH: maj9 0 4 7 11 14 14 7 11 (major 9th)
CH:9M2nd 12 16 7 11 14 14 7 11 (major 9th 2nd inversion)
CH: min9 0 3 7 10 14 14 7 10 (minor 9th)
CH:9m2nd 12 15 7 10 14 14 7 10 (minor 9th 2nd inversion)
CH: M6/9 0 4 7 9 14 4 7 9 (major 6/9)
CH: m6/9 0 4 7 9 14 4 7 9 (minor 6/9)
CH: 9b5 0 4 6 10 14 14 6 10 (9th flat 5th)
CH: 9#5 0 4 8 10 14 14 8 10 (9th sharp 5th)
CH:D11th 0 0 7 10 14 18 7 18 (dominant 11th)
CH:m11th 0 3 7 10 14 17 14 17 (minor 11th)
CH: wide 0 12 14 17 7 24 -12 7 (octave, 9th, 11th, fifth, 2octave, suboctave, fifth)
CHORD TYPE/MULTI/LOAD Button: Multi Setting
MULTI設定によって、ウェーブテーブルの読み込み方が変わります。MULTIモードではウェーブルテーブル上で並んでいる512のサンプル波形を複数個繋げて、より複雑な波形を作り出すことができます。モードは1波形(デフォルトの512サンプル)オペレーション、2波形を繋げて計1024サンプルでウェーブテーブルオペレーションをする2波形オペレーション、同様に4波形オペレーション(2048サンプル)、8波形オペレーション(4096サンプル)から選択可能です。
MULTI設定ごとのサンプル波形。もともとの512サンプルのうち、左側縦に表示されている8つを繋げてサンプルを作る場合です。
オシレーター1/2のマルチ設定はCHORD TYPE/MULTI/LOADボタンを押してロータリーエンコーダーを回すことで個別に設定できます。
TILT/DRIVE Button: Tilt Function
Tilt機能は、オシレーター1の位相をオシレーター1自身でモジュレーションすることです。これによって 波形を傾けるようなフィードバック効果が生まれますが、効果が強いと歪んだりカオス的な音になったりもします。Tiltの度合いはTiltボタンを押してからエンコーダーとMOD Bノブで決定します。
TILT/DRIVE Button: Drive Function
Drive機能はコードモードの時にのみアクティブです。ゲインを1-3の間で設定でき、その後に大きい音をクリッピングさせるプロセスを通します。コードモードの時は波形の重なり方によってボリュームが下がることがあるので、このDrive機能で調整します。ゲインを大きくすると音にサチュレーションの温かみも加わります。調整やモジュレーションの設定はコードモードでTilt/Driveボタンを押し、エンコーダーとMOD Bノブで決定します。
DELAY Button: Delay Function
コンビネーション処理されたシグナルはシンプルなコムレゾネーター/ディレイに通されます。短いディレイタイムでは発振するレゾネーター、長いディレイタイムではエコーとして働きます。 DELAYパラメーターはディレイのフィードバック量を設定し、ウェット/ドライも同時にコントロールします。DELAYパラメーターが最大のときエコーはフリーズ状態になるので、オーバーダブやループエフェクトのようにも使えます。調整やモジュレーションの設定はDELAYボタンを押し、エンコーダーとMOD Bノブで決定します。
ディレイタイムはDELAYノブではなく、オシレーター2の周期になります。QUANTボタンを押しオシレーター2をオシレーター1と周波数比を保った状態でエコーをすればピッチのシンクロしたレゾネーターにもなり、またエコータイムのシンクにもオシレーター2のシンクが利用できます。
PERC MODE Button: Percussion Mode
パーカッションモードはPERC. MODE ボタンを押して切り替えます。 パーカッションモードのとき、コンビネーション処理を通過したシグナルはスナッピーな指数型エンベロープつきのVCAを通過します。トリガーはSYNCインプットにパルスシグナルを入力することで行います。アタックタイムは1ms以下と非常に早く、ディケイはDECAY TIMEパラメーターで設定した値で減衰していきます。パーカッションモード時DETUNE/DECAYボタンを押すとディケイタイムを調整できます。MOD Bによるコントロールの設定をするにはもう1度DETUNE/DECAYボタンを押してください。
PERC.MODEボタンが2回押されると
ゲートモードに移り、このモードではSYNCインプットに入力されたゲート信号がONである間は音が最大のままキープされ、ゲートOFFになった瞬間からディケイが始まります。
Wave Folder
SHAPESHIFTERには完全にアナログなウェーブフォルダーが組み込まれています。このウェーブフォルダーは
uFold IIのウェーブフォルダー回路に基づいています。ウェーブフォルダーへのインプットジャックに何も刺されていないときはアウトプット1ジャックのシグナルが内部的にルーティングされます。この仕組みによりウェーブフォルダーだけ外部のサウンドのプロセスに使用することもできます。
ウェーブフォルダーの働きは、入力される波形を折り返し、倍音を増やすことです。折り返しの量はFOLDノブとFOLD CVによって決まります。FOLD量が小さいときは単なるアンプのような働きをしますが、FOLD を増やしていき、シグナルレベルがあるところを超えると折り返しが行われます。
Foldコントロールをあげていったときの波形の様子。
PRESET MODE Encoder: Preset Mode
Shapeshifterには、パラメーターセッティング(プリセット)を保存する64のメモリースロットがあります。64のプリセットはユーザーによってセーブ可能ですが、12個のプリセットスロットのみが電源のオンオフでも消えないメモリーとなっています。52の一時的なメモリーは、プリセットのスケッチやプリセットステップなどに使うと良いでしょう。
ユーザーは、左のエンコーダープッシュによってプリセットのメモリ操作を行うプリセットモードにアクセスできます。ロータリーエンコーダーの上にあるLEDが赤く光っているときがプリセットモードにいることを示します。エンコーダーを再びプッシュすると通常モードに戻ります。
プリセットモードに入るとエンコーダーの左側にあるボタンは役割を変え、プリセットの
SAVE, STEP, MORPH, LOADといった機能の設定ができます。
まずプリセットモードに入ると、LCDディスプレイには現在選択中のプリセットが表示されます。これが1~12の場合は電源オフでも保存されたままのプリセットとなります。選択対象のプリセットはエンコーダーを回すことで変えることができます(その後SaveボタンやLoadボタンでセーブやロードができます)。
SAVE:
プリセットモードにいるとき、現在のパラメータ設定は選択中のプリセットメモリースロットに保存可能です。これを行うには、まず現在のプリセットナンバーをLCDディスプレイに表示させます(STEP/MORPHモードのときはWAVE BANKボタンかCHORDE TYPEボタンを押すと表示されます)。その後エンコーダーを回して保存対象のメモリースロットを選択し、セーブボタンを押します。するとLCDディスプレイに “Save? NO”と表示されるので、エンコーダーを右に1度回し表示を"YES"にし、SAVEを押すとセーブされます。セーブしたくないときはエンコーダーをもう1度押してください。.
LOAD:
LCDディスプレイがプリセット番号を表示している状態でLOADボタンを押すと現在選択されているプリセットの設定がロードされます。プリセットをロードした直後のノブのコントロール状態は
ソフトピックアップ状態となり、ノブがプリセットの設定の値上を通過するまでは変化を起こしません。このようにデザインされていることで、プリセットをロードしたときにノブのポジションにかかわらずセーブした時と完全に同じ状態がロードされるというメリットがあります(ピッチノブはソフトピックアップ非対応です)。 そしてプリセットモードを出た瞬間にこのソフトピックアップ状態は解除され、全てのパラメーターは現在のノブ位置が反映されます(ハードピックアップ)。
MORPH:
Shapeshifterでは、現在のパネル設定と現在選択しているプリセットの設定の間をモーフィングして徐々に移り変わることが可能です。これを行うには、プリセットモードでMOD A/MORPHボタンを押します。するとLCDディスプレイには“Morph NN” (NN は現在選択中のプリセット番号)と、“PnL->Pst” (or “Pnl<-PsT”)という文字が表示されます。 現在選択中のプリセットはロータリーエンコーダーを回して変更可能です。実際に出る音は、現在のパネルセッティングとプリセットセッティングの音がブレンドされて出力されます。ブレンドのバランスは、ディスプレイ右側のMOD BコントロールノブとMOD Bインプットによってコントロールされます。MOD Bが左一杯に回されているとパネルセッティングのみの音が、右一杯ではpリセットセッティングのみの音が出力されます。
このブレンドには2つの例外があります。INT.SyncモードとPercモードでは常にパネルセッティングの音が出力され、プリセット音は効きません。
STEP:
Shapeshifterには、SYNCインプットにトリガーを受ける度にプリセットをステップして進んでいくSTEPモードもあります。これを行うには、プリセットモードでSYNC/PULSE/STEPボタンを押します。ステップはユーザーが指定した最初と最後のプリセットの範囲でのステッピングが可能です。ステップモードでのステップの進み方は7つの異なる設定が可能です。
- Fwd : NN
もう一回SYNC/PULSE/STEPボタンを押すとステップが実際に進行します。SYNCインプットにトリガーを受けるたびに次に大きい番号のプリセットに移ります。LCDディスプレイは“Fwd *NN”の表示となり、*は現在ステッピングが進行していることを示します。ステッピングをやめるには SYNC/PULSE/STEPボタンをもう1度押してください。
- Rev : NN
プリセット番号が減る方向にステップする以外はFwdと同じです。
- Fw/Rv: NN
このモードではFwdでプリセットナンバーが上昇した後にRevでプリセットナンバーが下降、それを繰り返すというステッピングを行います。
- Rand : NN プリセットをランダムにステッピングします。
- MOD B: NN
このモードでは、トリガーによって選ばれるプリセットはMOD BノブとMOD Bコントロールで指定されます。プリセットの細かいシーケンスを行うときなどに便利です。
- Begin: NN
これが選択されているとき、SYNC/PULSE/STEPボタンを押すと、LCDディスプレイは切り替わり“Begin? NN”と表示されます。このときエンコーダーを回してステッピングの最初のプリセット番号を指定し、目的の番号になったらSYNC/PULSE/STEPボタンをもう1度押して決定です。
- End : NN
Begin設定と同様のやり方で、ステップの終わりのプリセット番号を指定できます。
- Div: N
Begin設定と同様のやり方で、同じプリセットを繰り返すパルスの数(1~8)を指定します。