MUSICAL FEATURES
JenaはCVやオーディオのウェイブシェイパーとして、デジタルオシレーターとして、またウォルシュ関数ジェネレーター、リズムジェネレーターなどとして使用できるデジタル信号処理モジュールです。JenaはXAOC Devicesが展開するLeibniz Binary Subsystemを構成するモジュールで、8ビットのデジタル信号を入出力とする為、通常のジャックではなく基板上の10ピンコネクタから入出力を行います。通常のパッチケーブル内を通るアナログ信号は、
Dreznoを使うことで8ビットシグナルに変換されます(その為Jenaを使うにはDreznoが必要になります)。
Jenaは入力された8ビット信号に対して、ウェーブテーブルのルックアップによるウェーブシェーピングを行います。これは入力された信号の値によって選択された波形内の位相を指定し、それに応じた出力をすることで波形の変換を行う手法で、デジタルウェーブテーブルを用いた古典的な波形変換法です。CVを変形することも可能です。
変換用の波形を収めたウェーブテーブルはバンクと呼ばれ、Jenaには全部で15のバンクが格納されています。最初の11バンク(0~9とA)がオーディオ信号の変換を念頭に置いており、さまざまなウェーブシェーピングが可能です。残りのバンクではリズムやCVを出力するのに向いたウェーブテーブルが格納されています。ウェーブテーブルの波形間の移り変わりは滑らかにモーフィングし、最後の波形と最初の波形が連続的につながるようになっている為波形の断絶が起きません。
バンクとバンク内の波形は左側のエンコーダーで決定します。エンコーダーを押すことで選択対象をバンクと波形で切り替え、エンコーダーを回して変更します。またPhaseノブは、使用するウェーブテーブル波形のどこをスタートに使用するかをコントロールします。バンク、波形、Phaseは全てCVでもコントロール可能です。
Jenaで処理された8ビット信号はフロントパネルの8つのゲート出力から各ビットごとに出力されます。また、LinkボタンがONだと、基板上のOUTピンからも処理された信号が出力され、OFFだとOUTピンからはJENAを通さないINピンへの信号がそのまま出力可能です。この時も全面のゲート出力ジャックからはJenaで処理された信号が出力されます。
エンコーダーを長押しすると設定モードに入り、そこでエンコーダーを回すと次の2つの設定内容を変更することができます。
-
クロックの切り替え: Jenaの動作するクロックを内部クロックにするかINピンを介して入力される外部クロックにするかを切り替えます。内部クロックは2Mhz程度と高速なので、外部クロックに合わせずにJenaのパラメータをモジュレーションしたい時に便利です
-
SYNCHRONOUSモードASYNCHRONOUSモードの切り替え: ASYNCHRONOUSモードは上で説明した動作仕様そのもので、外部信号をプロセスする場合に便利です。SYNCHRONOUSモードでは入力された信号を解析し、その信号と同じ周期のウェーブテーブル波形を出力します。これにより単純なウェーブテーブル出力で起きがちな不連続性のない波形が作れます。デメリットとしては解析の分タイムラグがあり、入力信号のピッチや波形変化にすぐ追従できない場合があります。