MUSICAL FEATURES
Instruo Saichは、Super-Saw機能と内蔵のスマートVCAミキシングを備えるクァッド・オシレーターです。Saïchの核となる4基のフル・アナログのノコギリ波は、音楽的間隔を持つオフセット(Intervallic Offsetと呼びます)の設定、個別および包括的なデチューン設定、トランスフォームおよびトランスポーズが可能で、これらをクリエイティヴな方法で組み合わせて使用する事ができます。特に同社のクォンタイザー、harmonàigとの組み合わせることで調和的な構造のコード・ヴォイシングを簡単に作成できます。また、Saïchはシンプルなダイアトニック・モードを搭載しており、1V/OctのCVソースを1つ入力するだけで、イオニアン(メジャー)/エオリアン(マイナー)上のダイアトニックコードを作成可能です。
- 4基の完全アナログ・オシレーター
- 7種類のMix Profileを持つ内蔵のスマートVCA
- 全体および各ボイスのデチューンを設定可能
- 音楽的オフセットを設定可能
- Subオシレーターモード
- 1V/Octトラッキング
- リニア/エクスポネンシャルFM
- ダイアトニック・モード
HOW TO USE
Case Tuning
昨今のユーロラック用電源やモジュール・オプション、+/- 12Vのパワーレール・バランスの多様化により、Intervallic Offset機能付きの4基の完全アナログのオシレーター・コアを実装するSaïchは、モジュールが新しい動作環境に慣れ、正常に動くための設定を必要とします。この設定は、Saïchをマウントするケースを変更する度に実行することをお勧めします。
始めに、Saïchをお手持ちのシステムへのインストールし、システムが安定するまで10〜15分ほど待ちます。システムが温まったら、以下の手順に従ってチューニングを実行します。このチューニングにより、全デチューン・コントロールの中心周波数の設定、およびIntervallic Offsetのオクターブ・レファレンスを設定します。一連のチューニングはC5をレファレンスに耳での確認作業でも完結できますが、デジタル・チューナーを利用すると便利です。
- 3つのDetuneノブを全て中央位置にセットします。
- CTRLアッテヌバーターとフェーダーを中央位置にセットします。この時、CTRLボタンが消灯状態であることを確認します。白色または琥珀色に点灯している場合はMix Profileボタンを押して消灯状態に戻します。
- Voice Indicatorsが点滅に変わるまで約3秒間、CTRLボタンを押したままにします。これによりチューニング工程が有効になり、CTRLボタンが白色/琥珀色に、フェーダーは琥珀色に点滅して示します。
- 1番目と2番目のVoice Indicatorsが点灯を確認します。フェーダーを動かすことで、Voice 1とVoice 2をクロスフェードします。
- フェーダーを左いっぱいの位置にすると、Voice 1のみをモニター出来ます。CoarseとFineノブを使い、Voice 1をC5(523.25Hz付近)にチューニングします。
- フェーダーを右いっぱいの位置にし、Voice 2をモニターします。
- CTRLアッテヌバーターを使い、Voice 2をC5にチューニングします。
- フェーダーを中央位置に動かし、Voice 1と2の間でチューニングに相違がないことを確認します。
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SubボタンとMix Profileボタンを同時に押してチューニングを保存します。この時、Voice Indicatorsが細かく光り、保存が実行されたことを知らせます。
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CTRLボタンを押して、次のステップであるVoice 2のオクターブ・レファレンスへと進みます。
- 手順5〜9を繰り返しますが、Voice 2をC5ではなくC6(1046.50Hz付近)にチューニングします。
- Voice 1と2のチューニングが完了したら、SubボタンとMix Profileボタンを同時に押してチューニングを保存します。
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CTRLボタンを押し、同様にVoice 3をVoice 1へ、Voice 4をVoice 1へのユニゾンおよびオクターブのチューニング工程を繰り返します。実行中の段階はVoice Indicatorsの状態で常に確認できます。
- 最後の工程(Voice 4のオクターブ)の保存が済めば、CTRLボタンを押して通常モードへ戻ります。
Mix Profiles Scan
Mix Profiles Scanパラメータは、Saïchの特徴的なオートメーション型のオーディオ・ミキサーに影響するマクロ・コントロールで、デジタル制御のアナログVCAを利用して4基のオシレーター・ヴォイス間の振幅のミックスをコントロールします。出力されるVoiceの組み合わせ方を決定するMix Profileは以下の7種類で、Mix Profileボタンで選択します。
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Cascade Crossfade: フェーダーを左から右へ動かすと、Voice 1から4までの全ボイスを1つずつクロスフェードし、右一杯の位置で発音しなくなります。
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Basic VCA: フェーダーを左から右へ動かすと、全ボイスがフェードインします。フェーダーが左一杯の位置の時に正電圧のCVを適用する事で、無音状態から全ボイスが最大の振幅でフェードインします。
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Voice Arpeggiator: フェーダーを左から右へ動かすと、番号の若い順に各ボイスが隔離します。
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Voice Subtraction: フェーダーを左から右へ動かすと、ボイス数が上から下へと減算されます。左一杯の位置では全ボイスが発音、右一杯では無音となります。
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Odds to Evens: フェーダーを左から右へ動かすと、奇数番号のボイス(1と3)が偶数番号(2と4)のボイスへとクロスフェードします。
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Smart Pairs: フェーダーが中央位置の時、全4ボイスが発音します。フェーダーを左に動かすと、Voice 1と2がVoice 1と4にクロスフェードし、左一杯の位置で無音へとフェードアウトします。フェーダーを中心位置から右に動かすと、Voice 2と4がVoice 2と3にクロスフェードし、右一杯の位置で無音へとフェードアウトします。
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Constant Root: フェーダーを左から右へ動かすと、Mix ProfileはVoice 1&2, 1&3, 1&4とクロスフェードし、1&2へと戻ります。
TIP: Mix Profile 1のCascade Crossfadeへ素早く戻るには、Mix Profileボタンを押したまま、Subボタンを押します。この時、Mix Profileボタンを押し下げたままでSubボタンを複数回押した場合、上記1から7のMix Profileを逆の順番で繰り返し選択できます。
Intervallic Offsets
CTRLボタンが白色に照光している時、フェーダーはVoice 2, 3, 4のIntervallic Offsetを設定します。フェーダーを左一杯の位置にセットすると、全4ボイスがユニゾンに設定されます。フェーダーを右へと動かすと、各ボイス間のインターバルを保ちながらユニゾン、オクターブ、完全4度、完全5度の組み合わせを導入します。この時、Intervallic Offsetの変更のタイミングでフェーダーのLEDが瞬間的に消えて変更を知らせます。Intervallic Offsetのバリエーションは3つのグループに分類されています。
- フェーダーが最も左の位置にある時、Intervallic Offset設定は全4ボイスをユニゾンに設定します(オフセットなし)。
- フェーダーを右に動かすと、6つの異なるIntervallic Offsetを切り替えます。
- これら6つの可変要素は、Voice 4, 3, 2の周りをインターバルのパターンが回転するにつれて、さらに2回繰り返します。
- Voice 2, 3, 4それぞれの1V/Oct入力への異なる1V/Oct信号の入力がない時、可変要素3グループの結果が同等になる事を理解しておく必要があります。
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harmonàigをご使用の場合、可変要素3グループがIntervallic Offsetの全バリエーションに渡って完全音程(4度、5度およびオクターブ)で回転するため、Intervallic Offsetsはダイアトニック・テンションになります。
下の表は、フェーダーを左から右へと動かす事で、各ボイスがどのように変化するかを示しています。
- 8va = ユニゾンの1オクターブ上
- P5+ = ユニゾンの完全5度上
- P4- = ユニゾンの完全4度下
Global Detune
CTRLボタンが琥珀色に照光状態でIntervallic Offsetが設定済みの時、フェーダーを左から右へ動かす事で、各ボイスをユニゾンから大きく分散したポジションまで、全体のデチューンをコントロールします。Global Detuneは、Intervallic Offsetを適用するために0より高い値に設定する必要がある事を理解しておく必要があります。
同様にGlobal Detuneに効果を持たせるために、Intervallic Offsetもユニゾン以外のいずれかに設定する必要があります。例えば、Intervallic Offsetがユニゾンに設定されている時、Global Detuneによるヴォイシングの拡散は起こりません。
Diatonic Mode
Diatonic Modeは、Saïchの持つ「隠し機能」のようなモードです。Diatonic Modeがアクティヴの時、モジュールは各ボイスのIntervallic Offsetをハーモニック7thコードを生成するように自動でチューニングします。この能力は、 harmonàigを完全クロマティックのイオニアン、またはアイオリアンモードに設定した時に似ています。
Diatonic Modeを有効にするには、CTRLボタンが白色点灯でIntervallic Offsetパラメータがフェーダーにアサインされている時にCTRLボタンを押したままMix Profileボタンを押します。CTRLボタンが白色と琥珀色のイルミネーションに変わり、Diatonic Modeがアクティヴである事を示します。
Diatonic Mode中は:
- Voice 1の1V/Oct入力への入力信号がコードのルートを決定します。
- Voice 2, 3, 4の各1V/Oct入力への入力CVは全音階の音程オフセットとして加算されます。
- コード・クォリティーは、CTRL CV入力への入力CVによって決定します。
- CTRLアッテヌバータが最大値の時、CTRL CV入力は1V/Octをトラッキングし、使用できるコード・クオリティーはダイアトニックのイオニアンモード(メジャースケール)となります。
- CTRLアッテヌバータが最小値の時、CTRL CV入力は1V/Octをトラッキングし、使用できるコード・クォリティーはダイアトニックのアイオリアンモード(ナチュラル・マイナースケール)となります。
- フェーダーはコード・ヴォイシングの拡散をコントロールします。
- フェーダーを左から右へ動かす事で、クローズからドロップ2、ドロップ3、オープンへとヴォイシングを切り替えます。
Interface
DEMO