Dreznoは、
- 入力電圧をデジタル値に変換したビット情報を取り出すアナログデジタルコンバーター(ADC)
- 入力したビット情報から対応する電圧を出力するデジタルアナログコンバーター(DAC)
から成り立つ変換モジュールです。オーディオを入力してビットクラッシュやビットの入れ替えをすることで音を変化させたり、LFOやランダム電圧をビット情報に変換することでゲートシーケンスを出力したり、様々な使い方が可能です。
またDreznoは、8ビット信号処理を行う一連のモジュールシリーズとして予定されているLeibniz Binary Subsystemのための信号変換のインターフェースとなります。
Dreznoの左側では、10Vの幅の電圧シグナルが、00000000,00000001,00000010,..11111111までの8ビットの2進数(バイナリデータ)に変換されます(アナログ-デジタル変換,ADC)。それぞれの"桁"のビットが0~7までのADコンバータの出力にゲートとして出力されます(ビットが0で0V、1で5V)。
Dreznoの右側では、0~7までの入力にゲートを入れることで8ビットのバイナリデータを表現し、それを電圧シグナルとして取り出します(デジタル-アナログ変換,DAC)。
ADC/DACどちら側においても、GAINとOFFSETの設定も変換後の信号に非常に大きな影響を与えます。クリッピングの効果を積極的に利用して、シグナルを歪めることも可能です。
LINKボタンを押すとADCの出力となる8個のゲートがそのままDACに内部結線で入力されます。その結果、DACからの出力はADCの入力シグナルを一度8ビットデータに変換してから出力することになり、オーディオに対しては
ビットリダクションの効果を生み出します。またエキスパンダーとなる
Lipskをつけると、Linkモードの際ADCの出力はLipskで処理されてからDACの入力へと内部結線されます。
ADC,DACでの変換は一定の時間間隔ごとに行われますが、これを決めるのが
クロックです。ADCとDACには別々にクロック入力がありますが、パッチしていないと内部クロックで動作します。内部クロックは2MHzと超高速で動いているため、オーディオの時間変化を正確にとらえ、エイリアスノイズを避けることができます。クロックに低速なオシレータ―のスクエア波などを入れれば
サンプルレートリダクションになります。またLFOやランダムに動く電圧をADCに入力し、リズムのグリッドとなるタイミングでクロックを入れると、ADCの各出力はユニークな
リズムジェネレーターとして機能します。
※高速な内部クロックを使用した場合の出力は、何かをトリガーするゲートとしては使用できません。(オーディオレートではない)普通のゲートシーケンスを出力したい場合は外部クロックを必ず使用してください)。
その他、Dreznoのパッチを面白くするためのティップスは次のような点があります。沢山パッチを試す中でお気に入りの使い方が見えてくるでしょう。
- GAIN,OFFSETを変えてみる。
- 入力信号量をVCAでモジュレーションする
- LINKせず、ADCの出力を1つでもDACの入力のどこかにパッチしてみる
- ロジック系モジュールと組み合わせる
- ADCでは、LFOなどを入力するとより大きい桁の方がゆっくりと変化し、小さい桁は忙しく変化する
- DACでは、より大きい桁のビットの方がシグナルへの影響が大きい