Befaco / DivKid Stereo Strip
Format: Eurorack
Width: 6HP
Depth: 33mm (Incl. power connector)
Current: 63mA @ +12V, 63mA @ -12V
Manual Pdf (English)
Format: Eurorack
Width: 6HP
Depth: 33mm (Incl. power connector)
Current: 63mA @ +12V, 63mA @ -12V
Manual Pdf (English)
Stereo Stripは、ユーロラック環境でのチャンネルストリップです。3バンドEQを備えるこのステレオ入出力のモジュールは、専用アッテネーター付きのVCパンニング機能、パフォーマンス性にも優れる3ポジションのミュートスイッチ、ステレオVCAを実装し、ラインレベルの入出力インターフェイスとしても機能します。
本機はあらゆるパッチにおいてクリエイティヴに動作するように設計されており、
として使用できます。
また、入力セクションのゲイン・ブースター、および出力セクションのゲイン・リデューサーを利用することで、本機は外部ギアとの接続のためのステレオ入出力インターフェースとしても使用可能で、外部信号に対してVCAとVCパンニングを利用した変調や、EQを使ったサウンドのシェイピングを実行できます。
本機のEQはローシェルフ、ミッドベルカーブ、ハイシェルフで構成されています。各帯域は最大12dBまでのカット/ブーストが可能で、音楽的で効果的なシフト能力を備えつつ、より繊細なEQシフティングのためのコントロール性を維持します。各EQのカーブは減衰またはブーストのレベルにより異なるため、サウンドの幅広い調整のために広範囲でオーバーラップするQ設定を備えています。下のイメージはおおよそのEQ曲線を示したもので、EQの応答がどのようにオーバーラップし変化するのかを確認できます。
2つのスイッチの脇にそれぞれラベルされた大小2つの白点は、入出力レベルの設定値を示します。下側の大きな点はそれぞれ、ユーロラック領域の大きなレベル/高い電圧幅で作動中であることを示し、対する上側の小さな点は外部ハードウェアやサウンドカード等に対応するラインレベルの小さい/低い電圧幅で作動中であることを示します。従って、ユーロラック信号を入力とする場合はスイッチを下の位置に、ラインレベルの信号を使用する場合はスイッチを上の位置に設定します。同様に、ユーロラックレベルの信号を出力したい場合は出力レベルのスイッチを下の位置に、ラインレベルの信号を出力したい場合はスイッチを上の位置に設定します。これらのスイッチの実装により、本機をサウンドカードや他のハードウェア、楽器などとの接続に使えるステレオの外部インターフェースとして利用できます。
ユーロラックの世界において、VCAが完全に閉じた状態から完全に開き、信号を通過させるために必要な電圧の基準幅は存在しません。また、エンヴェロープが必要とする電圧幅の基準もなく、これらはサウンドのレベルをコントロールするために主に使われています。例えば、全開するために10Vが必要なVCAに対して、エンヴェロープのピークが5Vである場合、VCAがリニア応答であれば半分程度のレベルまで小さくなり、VCAがエクスポネンシャル応答の場合は前者よりも著しく小さなレベルしか得ることができません。反対に、全開するために5Vが必要なVCAに対して10Vのエンヴェロープを使用した場合、程度に個体差は出ますがVCAがクリップするか、またはエンヴェロープをクリップして再び5V未満になるまでVCAの状態を維持することになり、これらはどれも理想的ではありません。ユーロラック・フォーマットのエンヴェロープのピークには、5V、8V、10Vの3つの異なる基準が存在します。LEVELノブの周りの白線上にラベルされた白いドットは、信号をユニティー・レベルに保つためにノブを設定すべき値を示しています。
Stereo StripのVCAが全開するために必要な電圧は5Vであり、外部ユーティリティ・モジュールを併用することなく簡単に使うことが出来ます。適用するエンヴェロープが5Vの場合はそのままLVL CVにパッチし、LEVELノブを最後のドットがラベルされた最大値まで全開にします。エンヴェロープが8Vの場合はLEVELノブを3つのドットの中央、おおよそ1時のあたりに設定します。同様に、エンヴェロープが10Vの場合は最初のドット、おおよそ12時の位置に設定します。もちろん、電圧の高いエンヴェロープやモジュレーション信号を適用してノブ値を上げ、サチュレーションを得ることも可能です。
Stereo Stripの出力ステージには、ソフトクリッピング・リミッターが実装されています。これは本機の出力、および接続される他の機器を保護するためのものであり、通常の動作レベルでの効果を意図したものではありません。ただし、レベルを上げることでソフトクリッピングやリミッター効果を得ることが可能であり、これを利用してクリエイティヴで形成能力の高いディストーションを作成することができます。また、入力レベル設定をラインレベル(ブースト)に切り替えてユーロラック信号をパッチすることで、入力設定をクリエイティヴに使用することも可能です。この場合、入力ステージで信号に大きなゲインブーストが発生し、音楽的なディストーションが得られます。EQを使ってディストーションを整形することも、レベルを変調してCV制御のサチュレーション効果を得ることも可能です。この方法でモジュールをディストーションの設定にした場合、必要に応じてレベル設定スイッチで出力を調整することができます。
本機のPAN CV入力は、サブソニック(亜音速)、オーディオレンジ、およびスーパーソニック(超音速)まで、広範囲なモジュレーション信号に対応します。オーディオレートの信号をパッチし、ステレオ・リングモジュレーターのように使用することも、スーパーソニック信号を聴力範囲の境界付近まで下げ、エイリアシング風のサウンドFXを作成することも可能です。また、シーケンスやランダム電圧などを使えば、簡単にオート・パン効果を得ることもできます。
PAN CV入力の応答とは異なり、ミュートスイッチでより高いパフォーマンスを提供するために、VCAのLVL CV入力は周波数応答特性が制限されています。その結果、極端なオーディオレート信号でモジュレートした場合に全体のレベルが低下することに気づくかもしれません。レベルが下がる地点は、ミュートスイッチの性能を最適化しつつ、低いオーディオレートや音楽的なAMシンセシスの用途に対応できるように微調整されています。
TIP: これはStereo Stripだけでなく他のVCAでも同様ですが、標準的なVCAに対してオシレーターをオーディオレートのモジュレーターとして使用した場合、モジュレーション信号の半分の効果が失われることになります。これはVCAが負極のモジュレーションには応答しないためです。つまり、一般的なオーディオ信号(正負に動くバイポーラー)に対しては、半波整流(Half-wave rectify/負極の電圧には応答しないためカット)され、モジュレーション信号の半分を失います。本機の入力ブーストを有効化することで、レベルを戻すことが可能です。この事から、オーディオレートのモジュレーションにはPAN CV入力の使用が推奨されています。パンニングに適用するモジュレーションの周波数を制限することなく、オーディオレートのモジュレーションのバランスをPAN CVアッテネーターで調整することができます。これにより、モノラルではAMシンセシスや擬似リングモジュレーションの音色を幅広く追求でき、この技術をステレオに適用した場合はオーディオレートのパンニングや、ワイルドなステレオパッチ・テクニックを楽しむことができます。