
ALM Busy MCO MkII
Format: Eurorack
Width: 6HP
Depth: 32mm
Current: 70mA@+12V, 30mA@-12V
Format: Eurorack
Width: 6HP
Depth: 32mm
Current: 70mA@+12V, 30mA@-12V
MCO mk IIは、90年代および2000年代のデジタルシンセサイザーにインスパイアされた、非常に多用途でコンパクトなデジタルVCOおよびボイスモジュールです。
本機は多彩で高品質なシンセボイスのコレクションを提供し、カスタマイズ可能なパラメーターを備えています。これらのパラメーターは、内部および外部のアサイン可能なソースを通じて直接制御またはモジュレーションすることができます。ボイスごとの特定のパラメーターには、FM、同期(sync)、DSPを含むオーディオレートモジュレーションが対応しています。各ボイスは、最大4声のコード、外部トリガーエンベロープ、複数のLFO、デュアルオーディオ出力をサポートしており、デスクトップシンセに匹敵する機能性を備えています。
収録されているボイスには、オリジナルのMCOを基にした多次元ウェーブテーブルオシレーター、複雑な加算合成エンジン、マルチモードの「JP」タイプデジタルシンセ、豊かなバーチャルアナログ実装、完全装備のボコーダー、キックとサブソニックトーン用のベースシンセ、そして廃盤となったSID GUTsチップボイスの復活と移植が含まれています。
各ボイスにはファクトリープリセットが含まれており、ユーザープリセットの保存および呼び出しも可能です。また、すべての状態は電源サイクルをまたいでも保持されます。
MCOは、使い慣れた直感的で簡単な操作を実現するために設計されており、高解像度のカラーディスプレイとリッチなビジュアルインターフェースを備えています。
特徴
DigiWave - ウェーブテーブルオシレーター
DigiWaveはウェーブテーブルをベースにしたボイスで、ファクトリープリセットまたはユーザーがアップロードしたウェーブテーブルバンクから2つの同時モーフィング波形を生成します。波形は複数の方法で組み合わせることが可能で、すべての波形形状においてパルス幅モジュレーションを利用できます。カスタムウェーブテーブルはUSB経由でアップロード可能です。
ToneSum - 加算合成
ToneSumは加算方式を基にしたボイスで、12個のサイン波を組み合わせて物理的かつ有機的なトーンを生成します。この独特なボイスは、明るくガラスのような音から、木のようなプラック音、不気味な不協和音のスイープまで幅広いサウンドを生み出すことができます。
BC8000 - 可変モードデジタルシンセシス
BC8000は、クラシックなJP8000シンセサイザーの特殊オシレータータイプにインスパイアされたマルチモードシンセサイザーボイスです。Supersaw、Triangle Mod、Noise、Feedbackオシレーターモードから、さまざまなテクスチャやサウンドを生成できます。
Virtana - 90年代のアナログエミュレーション
Virtanaは90年代スタイルのデュアルオシレーター「バーチャルアナログ」シンセサイザーボイスで、明るいデジタルの透明感を持つクラシックな減算方式サウンドを生成するのに適しています。厚みのあるデチューンベース、デュアルオシレーターコード、感動的なPWMサウンド、明るいリードサウンドに優れています。
Sylon - ヴォコーダー
Sylonは多機能なヴォコーダーおよびFFTベースの再構築ボイスで、MCOの外部入力に接続された任意のソースを基に、リッチなロボティックでハーモニックなサウンドを生成します。
Oomph - ベーストーンおよびドラムシンセ
OomphはユニークなキックドラムおよびベースFMシンセサイザーボイスで、現代的な強力なベースやトーナルなパーカッションサウンドを生成するよう設計されています。
SID Guts - SIDチップエミュレーション
SID GUTSボイスは、(現在廃盤の)SID GUTSおよびSID GUTS DELUXEモジュールを基にしたC64スタイルのSIDチップエミュレーションです。このクラシックなボイスは、エイリアス波形、ピッチのあるデジタルノイズ、デジタルリングモジュレーション、同期を特徴とし、80年代のクラシックなコンピュータゲーム音楽を彷彿とさせる独特のローファイデジタルチャームを提供します。
MCOの電源を入れると短い起動アニメーション後にアクティブなシンセボイスプログラムが表示されます。他のプログラムの選択や設定はプログラムノブを回してブラウズし、ノブをクリックしてアクティブにすることができます。
シンセボイスプログラムがアクティブになると最後に編集したパラメータが表示されます。プログラムノブを回すことでパラメーターを選択しノブをクリックすると編集したいパラメータの表示がハイライトされ値を設定、もしくは外部CV、内蔵エンベロープ/LFOモジュレーションのアサインができます。
パラメーターのハイライトはBackボタンまたはエンコーダーをもう一度クリックすると終了し、ボイスプログラムの選択に戻る時はもう一度Backボタンを押します。
画面上に表示されている現在のパラメーターはプログラムエンコーダーをダブルクリックすることでいつでもデフォルト値にリセットできます。スタックされたパラメーターをリセットした場合、選択中のスタックパラメーターだけでなくパラメーター全体がデフォルト状態にリセットされる点にご注意ください。
MCOはフリーランニングのオシレーターとして動作し2つのOutジャックからオーディオ信号を出力してV/Oct入力にパッチされたCVによってピッチが制御されます。しかし、内蔵のVCAとエンベロープを備えた単独のボイスとしても機能し、この動作はTrig In入力の設定と物理的にケーブルがパッチングされているかどうかに依存します。(ケーブルが接続されると自動的に検出されます)
3つのCV入力はそれぞれが独立したデジタルオフセットおよびアッテネートを備えほぼすべてのパラメーターにアサインする事が可能です。またTrig Inも必要に応じて4つめのアサイン可能なCV入力として使用することができます。
Ext入力は高速なオーディオレート信号用の特別な入力であり、FM、Sync、リングモジュレーションによるボイス変調や外部信号処理のためのオーディオ入力として使用できます。その機能は現在選択されているボイスプログラムやパラメーター設定によって決まります。
各パラメーターは直接の編集だけでなく、外部CVや内部モジュレーションソースを使用してコントロールすることが可能です。
アサイン方法はパラメーターを編集する際に最小値よりもさらに左にノブを回すとアサイン可能なモジュレーションソースの1つを選択でき、そのパラメーターを外部CV入力や内蔵のグローバルLFOやエンベロープでコントロールできます。コントロールのアサインはパラメーターがハイライトされている状態でBackボタンを押しながらプログラムノブを回すことでモジュレーションアサインにジャンプするショートカットが利用でき、グローバル設定Mod SelをButtonにするとこのキーコンボからのみアサインが可能になります。
すべてのボイスエンジンは共通の機能とパラメーターを持っておりピッチなどの一部のパラメーターはグローバル設定となりすべてのボイスエンジン間で共有されます。このようなグローバルパラメーターには右上に小さな地球アイコンが表示されます。
Pitch(Global)
ピッチパラメーターはボイスの基準周波数を設定しV/Oct入力にパッチされた電圧がこれに加算されます。このパラメーターにはオクターブ,Key(セミトーン),セント,スケールの4つの設定がありそれぞれ細かく調整が可能です。周波数範囲は約8オクターブで最小周波数C0(16.35Hz)からB7(3951Hz)ですが、エンジンによってはこの範囲外になることがあります。スケールは内蔵クオンタイザーのスケールを選択しV/Octに入力されるCVを選択されたスケールにクオンタイズし、オクターブ,Key(セミトーン),セントはスケールのルートを決定します。デチューン,FM,コードの追加音で生成される他の周波数はクオンタイズされません。またユーザースケールを選択しエンコーダーを約1秒以上長押しすることでユーザースケールを編集できます。
Chords(Global)
MCOの各ボイスプログラムは最大4ボイスのコードを生成でき、標準的な12音階のコードフォームに加え4つのユニゾンデチューンオプションが用意されています。また、コードインバージョン(転回形)設定もChordパラメーターと同じページにスタックされており外部CVや内部モジュレーションを使用して制御することが可能です。またユーザーコードを選択しエンコーダーを約1秒以上長押しすることでユーザーコードの編集ができます。
Ext Input
FM,ハードシンク,Ring Modなどの高速オーディオレート信号、またはボコーディングなどの外部オーディオ入力処理用の特別な追加入力です。その機能は現在選択されているボイスまたはボイスプログラム内の設定に依存します。
Presets
すべてのボイスプログラムにはユーザー保存が可能なプリセットだけでなく工場出荷時のプリセットが多数内蔵されています。ユーザープリセットの保存スロットは合計32あり、すべてのボイスプログラム間でグローバルに共有されます。Presetsページから+Createを選択すると現在のエンジン設定が次に使用可能なユーザープリセットスロットに保存されます。ユーザー・プリセットを保存する際にプリセット名を入力できるテキスト入力ウィンドウが表示され最大7文字のプリセット名で保存ができます。一度保存されたユーザープリセットは選択したユーザープリセットをクリックすると表示されるポップアップ・メニューから,ロード,上書き,削除が可能です。
Settingsメニュー
SettingメニューはVoice選択ページからアクセスできグローバル・コンフィギュレーションのための様々な設定を行います。
Firmware:MCOのファームウェアバージョン表示
LFO1,2,3:各パラメーターにアサイン可能な3つの内蔵LFOそれぞれのRate,Type(Shape),ModeがスタックされたパラメーターでRateは0.1Hz~10Hzの範囲で設定ができ10種類の波形から選択ができます。ModeはFree,Retrig,One-shotから選択できTrig InがTrig/Gateを設定している場合のみTrigに入力された信号でLFOのRetrig,One-shotが有効になります。
Mod Sel:各パラメーターにCV,LFO,エンベロープをアサインする際の操作方法を設定します。Simpleはパラメーターの最小値よりノブを左に回して選択するかBackボタンを押しながらノブを回すショートカットの両方でアサインができ、Buttonはショートカットのみでアサインができ演奏中などに誤ってアサインされるのを防ぎます。
Theme:ユーザーインターフェースのヴィジュアルテーマを選択することができます。
Presets:32のユーザープリセットスロットにアクセスできるシンプルなグローバルプリセットマネージャーで全てのボイスプログラムのユーザープリセットのブラウズ,ロード,編集,削除ができます。このページからのプリセットロードは選択したプリセットがバックグラウンドでロードされ、Settingメニュー内に残り保存したユーザープリセットを素早く試聴したり、ライブ演奏中にパラメーターを調整する必要がない場合にプリセットをすばやく切り替えるのに便利です。Viewを選択するとプリセットがロードされそのボイスプログラム画面にジャンプします。またプリセットの削除ができ各ボイスプログラムに入らずに行う事ができます。空のスロットは関連するボイスエンジンの代わりにBlankと表示され選択もロードもできません。
各ボイスの詳細は以下の通りです
ジャックアサイン
Ext In:選択可能なハードシンク/FM入力
Out A:メインウェーブテーブル出力
Out B:パルスサブオシレーター出力
パラメーター
Table:ファクトリーもしくはユーザーカスタムウェーブテーブルの選択
Wave A:プライマリーウェーブシェープ
Wave B:セカンダリーウェーブシェープ
Invert B:Wave Bの位相反転
Mix Mode:Wave A/BのMixアルゴリズムの選択
AB Mix:Mix Modeに対応したミックスバランス
PWM:1サイクルの波形の最後を無音に置き換えるパルスワイズモジュレーション
Out B:Out Bから出力される1オクターブ下のパルスサブオシレーター波形の選択
Ext Mode:Ext Inの動作をハードシンクかFMにするかの選択
ジャックアサイン
Ext In:FM入力
Out A&B:ステレオ出力
パラメーター
Ratio:各倍音間の周波数の比率
Harmonics:追加される倍音のレベルをコントロール
Fauxpass:擬似ローパスのようなカーブで倍音のレベルをコントロール
Notch/Frequency:倍音の分布をノッチフィルターやバンドパスフィルターのような形状に変化させFreq.でピーク範囲をスイープ
Flip:1倍音おきのレベルを設定し50%を超えると位相が反転してレベルが上がります
Detune:各倍音の周波数比を変化させ整数倍の関係を崩す
Spread:基音から各倍音を左右にパンニングさせステレオの広がりを追加
ジャックアサイン
Ext In:Ring Modulation入力
Out A&B:ステレオ出力
パラメーター
Mode:JP8000にインスパイアされた波形に2つのパラメーターを持つ4種類の波形の選択
Supersaw Detune/Super Mix
Folder Offset/Tri Mod
Feedback Harmonic/Feedback
Noise Cutoff/Feedback
Mod Dep/Rate:BC8000用のLFOのモジュレーション量とスピード
Filter:Off,Low,High,Band,Notchのフィルタータイプ選択、Off時以外はパラメーターにCutoffとRezが追加されます
ジャックアサイン
Ext In:ヴォコーダーのモジュレーター入力
Out A&B:ステレオ出力
パラメーター
Mode:ClassicヴォコーダーフィルターとSpectralサイン波再構成モードの選択
Formant:フォルマントのシフト量の上下
Slope(Classicのみ):フィルターアレイレベルの高次または低次への傾斜
Notch/Frequency(Classicのみ)フィルターアレイをノッチフィルターのような形状にしFreq.でピーク範囲をスイープ
Slew:ヴォコーダーまたはスペクトル再構築の更新速度
Crush/Crush Mix:ビットクラッシュの強さとミックス量
Pre-Gain:Ext入力信号のゲイン
Ext.Mix:Ext入力された音のミックスバランス
Noise(Classicのみ):キャリアのサイン波にミックスするノイズの量
Quality(Classicのみ):ヴォコーダーのフィルターバンド数
Scope:Ext入力信号のスペクトラムアナライザー
ジャックアサイン
Ext In:ハードシンク入力
Out A&B:ステレオ出力
パラメーター
Wave A:オシレーターAの波形(三角波,ランプ波,矩形波)選択
Wave B:オシレーターBの波形(三角波,ランプ波,矩形波)選択
AB Mix:オシレーターA/Bのミックスバランス
B Detune:オシレーターBのデチューン量
Drift:アナログオシレーター風なランダムなピッチの揺らぎの量
Cutoff:ローパスフィルターのカットオフ
Rez:ローパスフィルターのレゾナンス
Chorus/Depth,Rate:コーラスエフェクトのミックス量とデチューンの量と速度
ジャックアサイン
Ext In:選択可能なハードシンク/FM入力
Out A&B:ステレオ出力
パラメーター
Click:トリガー時のピッチエンベロープのスタート周波数
Thump:Clickから基準周波数までピッチが落ちる時間
Sub:トリガー後にリトリガーされるまで維持する基準ピッチから下降する周波数
Sub Len:ピッチがSub周波数に加工するまでの時間
※上記4パラメーターはTrig InをTrig/Gateに設定してケーブルが刺さっている時だけ表示されます。
FM Ratio/Depth:内蔵FMオペレーターの周波数比とFMの強さ
Dist Type:ディストーションタイプの選択
Drive/Bias:ディストーションの強さとプラスのDCオフセット
Ext Mode:Ext Inの動作をハードシンクかFMにするかの選択
ジャックアサイン
Ext In:Mod Source用のV/OctCV/Audio入力
Out A&B:ステレオ出力
パラメーター
Shape:オシレーターの波形選択
PWM(Shape Squware選択時のみ):矩形波のパルス幅
Mod Type:OFF,Ring Mod,Syncの内部モジュレーション選択
Mod Src/Tune(Ring Mod/Sync選択時のみ):モジュレーションソースの内部/外部の選択と内部時のモジュレーター周波数
Filter:Low,High,Band,Notchのフィルタータイプ選択
Cutoff:フィルターのカットオフ
Rez:フィルターのレゾナンス
MCOの電源が入っていない状態でPCB右側のType-CポートからUSBケーブルでコンピュータに接続するとMCOは標準的なリムーバブルストレージデバイスとして表示されます。有効なファームウェアファイルをルートディレクトリにコピーすると自動でアップデートされます。アップデートが完了すると、モジュールは自動的に取り出され、通常のユーロラック電源で使用できるようになります(コンピューターからのアンマウントエラーは無視して問題ありません。)
プログラムノブを押しながら電源を入れるとFactory Resetと画面に表示されバーがいっぱいに進むまでノブを押したまま待ちます。これによりMCOに保存されたすべてのデータが工場出荷時の状態にクリアされますが、カスタム・ウェーブテーブルはクリアされません。
AXON-1とAXON-2のどちらのエキスパンダーもMCOはサポートされておりモジュールの背面にあるAXONと記された小さな水平6ピンコネクタに差し込み使用する事ができCV入力が4つ追加されます。一度に接続できるAXONは1つのみです。AXON-2に追加されたAボタンとBボタンはそれぞれJump to Voice SelectとReset parameterにマッピングされています。
MCOはカスタムユーザーウェーブテーブルをモジュールにアップロードしDigiWaveボイスで使用することができます。電源が入っていない状態でPCB右側のType-CポートからUSBケーブルでコンピュータに接続するとMCOは標準的なリムーバブルストレージデバイスとして表示されるので、コンピュータ上のWaveEditフォーマットのWavetableファイルをディレクトリーにコピーしてモジュールをアンマウントしてください。ウェーブテーブルは44.1khzの16ビットwavファイルで、1波形あたり256サンプル、合計64波形です。
ファームウェアアップデートと同様にUSB経由でコンピューターに接続した状態でディレクトリにある'PRESETS.BAK'ファイルをコンピューターにコピーし、MCOに保存されているすべてのユーザー・プリセットと設定をバックアップ/リストアすることができます。