SAMARA IIは、アッテネータやオフセット、ミックス、Min/Max等の基本的な電圧処理機能を多数搭載した4チャンネルのフレキシブルなシグナルプロセッサーです。CVもオーディオも処理可能です。
4つの各チャンネルには通常の入力と反転入力の2つがあり、反転入力の方は反転してミックスされます。その後アッテネータを通ったシグナルが各チャンネルのOUTから出力されますが、CH1,3ではアッテネータの前に±5Vのオフセットをオプションで加えることができます。これにより、±5Vの典型的な電圧範囲で動くLFOを0〜10Vのユニポーラーシグナルに変換したり、その逆を行うこともできます。オフセットは1と3のチャンネル別に用意され、ボタンを押すとオフセットのON/OFFの切り替え、長押しで±5Vの切り替えを行います。
個別チャンネルの4つの出力の下には、ミックス出力と
FUNC出力があります。1+2からはCH1とCH2の出力のミックスシグナルが取り出せます。3+4/ALLからは、1+2出力にパッチされている時はCH3とCH4の出力のミックスが、1+2にパッチされていないときはCH1〜CH4出力の全てのミックスシグナルを取り出すことができます。
MIN-MAX/FUNC出力は、選択可能な特別なプロセス機能に対応した出力です。中央部のボタンを押してプロセス機能を順番に切り替えることができます。
- LEDが点灯していない時はデフォルトのプロセス機能、MIN-MAXを実現し、MINからは4つのチャンネルで一番小さい電圧値が、MAXからは一番大きい電圧値が出力できます。
- MM2: このモードではCH1とCH2のみを対象に最小・最大処理をして出力します
- CLAMP: このモードでは、CH1とCH3に挟まれた電圧の範囲を上限、下限とした範囲で、CH2とCH4の電圧値をそれぞれFUNC AとFUNC Bから出力します。(マニュアルのfig3も参照してください)
- SCAN:FUNC AとFUNC B出力からCH2〜CH4の電圧を選択して出力します。どのチャンネルの電圧を出すかはCH 1のシグナルによって変わります。
・CH1 3V以上: Func A=CH4, Func B=CH2
・CH1 1V〜3V: Func A=CH3, Func B=CH4
・CH1 -1V〜1V以上: Func A=CH2, Func B=CH3
・CH1 -3V〜-1V以上: Func A=CH3, Func B=CH2
・CH1 -3V以下: Func A=CH4, Func B=CH4
- S&H: デュアルのサンプル&ホールドとして機能します。CH1にサンプルされるシグナル、CH2にサンプルするトリガーとなるシグナルを入力するとサンプルされたシグナルがFunc Aから出力されます。同様にCH3とCH4でサンプル&ホールドを行ったシグナルがFunc Bから出力されます
これらのプロセス機能の切り替えはデジタル制御のルーティング切り替えで行われますが、プロセス自体は全てアナログ回路で実現されます。そのためサンプル&ホールド機能では長時間電圧をホールドしていると徐々に電圧が落ちていく場合があります。