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Instruo Arbhar

¥114,900 (税抜 ¥104,455)
ライブユースにも向いた次世代グラニュラーサンプラー・ファームウェアv2

Format: Eurorack
Width: 18HP(本体,エキスパンダーは各2HP)
Depth:39mm (USBエキスパンダーは60mm)
Current:230mA@ +12V, 30mA @ -12V 

Quick Start Guide(English)
Manual PDF(English)
V2ファームウェア

2023年10月出荷分以降をお買い上げの方
V2ファームウェアインストール済み、SBエキスパンダーも付属するので、Expansion Packの購入は不要です。サンプルパックはこちらにアップロードされる予定です。

当店から購入したArbhar V1をお持ちの方

  • V2へのファームウェアアップデートはユーザーでも可能ですが、お持ちのPCにソフトのインストールが必要になります。当店でお買い上げのArbharは往復送料をご負担いただければ無料でアップデート作業します。こちらよりご連絡ください。
  • V2の新機能である、サンプル/プリセット/シーンのマネジメントを行うUSBソケットにパネルからアクセスできるUSBエキスパンダーが必要な場合はExpansion Packをご購入ください。その場合パックに付属のSDカードに差し替えることで自動でファームウェアがアップデートされます。

こちらのページは全てファームウェアバージョン2についての説明となります。バージョン1についての説明はこちらをご参照ください。

MUSICAL FEATURES

Arbhar(アーバー)は新世代のユーロラックグラニュラープロセッサーです。サンプルされたオーディオは短い音のグレインに細切れにされ、混ぜ合わされ、ピッチを変え、エンドレスにレイヤーされることで、フリーズしたなめらかなトーンからグリッチした生楽器の音まで幅広いオーディオ操作を行うことができます。さらにパネル上に組み込まれた小型のコンデンサーマイク、自動サンプリング用のオーディオ解析機能、内部モジュレーションなどを搭載することでArbharは比類のないグラニュラーシンセシスを実現します。

ファームウェアバージョン2(2023)の導入により、技術的および概念的な改善の両方を実装するため、全コードベースで完全な書き換えが行われ、全体的な操作感はそのままに、Arbharのユーザーエクスペリエンス全体が向上しました。効率の向上と機能の拡張により、Arbharはさらに多くの音響的および音楽的な空間を探索することができるでしょう。

主な特徴は次の通りです。NEWのついている箇所がファームウェアV2によるアップデート点です。

  • Lexer法によるグラニュラーシンセシス
  • ステレオで88(NEW)のグレインまで同時に生成可能なスーパーポリフォニック
  • 入力はモノ・ステレオを切り替え可能(NEW)
  • 最小グレイン長が40ミリ秒から5ミリ秒に(NEW)
  • Intensityとグレイン長をコントロールするタイプ、外部からグレインをトリガーするタイプの2種類グラニュラーエンジンを使用可能
  • グレインの再生位置をCVで指定するスキャンモード、調整可能な速度で自動で再生するフォローモード、オーディオレートでグレインをループさせるウェーブテーブルモード
  • 約10秒のサンプルバッファを6つ搭載。電源をオフにしてもバッファ内容は残ります
  • 内蔵コンデンサーマイクにパネルからアクセス可能
  • 入力段にはアナログプリアンプ・リミッター搭載
  • 自動でキャプチャー(録音)を開始できるオーディオ分析機能搭載
  • オーディオの大きさ、長さ、再生位置、広がりを示すLEDディスプレイ
  • 柔軟に設定を変更できるトリガー出力
  • グレインの再生方向確率の設定も可能
  • 内部でのピッチモジュレーション可能
  • 1V/Oct入力搭載
  • グレインの再生ウィンドウをダイナミックにコントロール可能
  • Hold CV入力でステレオパン/ディレイ/リバーブのどれかをコントロール
  • 2HPのエキスパンダー(本体と同梱)により主要パラメータだけでなく全パラメータをCV制御可能
  • 完全にカスタマイズできるようユーザー設定ファイル機能を搭載(NEW)
  • レイヤー間でのコピーや保存・ロードが可能(NEW)
  • 6つのオーディオレイヤーとユーザー設定をまとめたものをシーンとして保存可能(NEW)
  • USBメモリへのサンプルインポート・エキスポート(NEW)
  • バッファの続きにオーディオを録音するAccumulative Capture Modeが選択可能(NEW)
  • 6つの選択可能なオンセット検知モード(NEW)
  • 拡張トラック&ホールドモード(NEW)

HOW TO USE

Arbharではキャプチャーされたオーディオ、またはUSBからロードされた音のファイルをグラニュラープロセスによって細切れにし、様々な方法で変化を加えながら再生します。細切れのオーディオのかけら一つをグレインと呼びます。Arbharでは同時に88グレイン再生可能で分厚い音の重なりを作り出せます。

Arbharではグレインをコントロールする為の様々なパラメータが用意され、ほぼすべてが電圧でもコントロール可能です。グレインの再生位置や広がり、レベルなどはモジュールを横切るLEDディスプレイの表示に反映されます。

再生に関連したパラメータとしては、録音再生位置、再生する音の長さ、再生向き、音量エンベロープ、音程などがあります。ピッチや再生方向など、パラメータによってはArbhar内蔵の機能のみでランダマイズ可能です。

 

マウスオーバーで各部の説明が表示されます

Input Section

Arbharでは、メインの入力ジャック、Onset Analysis入力ジャック、内蔵コンデンサーマイク、という3つの入力ソースから音を録音することができます。

ルーティングはマイク→Onset入力→メイン入力と内部結線されている為、例えばメインとOnset入力にパッチされていない時にマイクからの音が入力されます。入力段にはアナログリミッターが搭載され、過大音量によるデジタルクリッピングを防ぎます。

Onset Analysis Onset Analysisは、入力された音のスペクトルをモニター・分析し、大きく変化した時に自動で録音をトリガーします。また設定によりトリガーを出力することも可能です。内部結線により、コンデンサーマイクへの音もOnset Analysisを通過します。Onset Analysisによる録音をしたくない場合、Senseを下げるか、Shift+Capture+LayerでOnsetの挙動を変更してください(下のOnset Analysis Settingを参照してください)。

入力はモノ/ステレオを切り替え可能です。ShiftとCaptureを押しながらGrain windowを回す操作(後述)またはプリセットファイルにより切り替えます。ステレオの際はOnset入力がR入力となります。入力Lに搭載されたアナログリミッターと同様のプロセスを入力に行うため、プリセットファイルでのAnalog EmulationオプションをOnにしてください。

Output Section

グラニュラー処理されたオーディオは、Dry/Wetコントロールにより原音と混ざり、Output Levelを通過して2つのOutputジャックから出力されます。モノで出力したい場合はOutput1にのみパッチしてください。両方にパッチすると信号はステレオで出力され、デフォルトではコイントスロジックにより各グレインはランダムに左右に振られます。

Output2からの信号はモノにした際のユニークなキャンセル効果を狙い位相を反転可能です。変更はShiftとCaptureを押しながらHoldを回す操作(後述)、または設定ファイルから行います。

Grain Playback

Polyphony
ArbharではIntensityで頻度が決定する内部トリガー以外に、Strike入力により外部からグレインをトリガーし、出力にミックスすることができます。個々のグレインはポリフォニックに発音可能で、発音可能音数は内部トリガーと外部トリガーのグレイン合わせ88に登ります。各グレインのピッチは、1V/Oct入力、ピッチノブ、Pitch Deviationコントロールの影響を受けますが、この影響は発音の瞬間にのみ更新され(サンプル&ホールド)、発音の途中でのピッチコントロールはグレインに影響を与えません。これにより個々のグレインが明瞭な個別のピッチ感を持ったポリフォニーが可能になります。

Follow Mode
Arbharのデフォルトの設定では、Scanコントロールが一定であればグレインの再生位置は変化しませんが、Followモードに切り替えると自動で再生位置が移動し、Scanで移動スピードのコントロールするようになります。Followモードは、ShiftとCaptureを押しながらScanを回す操作または設定ファイルにより切り替え可能です。FollowモードではStrikeボタンが白く光ります。

FollowモードではFollow Mode LoopingがOnの時、バッファ再生がループされます。設定はデフォルトでONとなっており、ON/OFFは設定ファイルで切り替えられます。ループの長さはHoldノブでコントロールできるようになります。ループが有効の時、Scanによるスピードコントロールは双方向が可能になり、中心より左に回すと逆再生を行います。

Wavetable Mode

Lengthノブを完全に反時計回りに回すと、グレインの再生長がオーディオレートに近づき、Wavetableモードにクロスフェードします。 生成されたウェーブテーブルは、レイヤー内の録音コンテンツのシングルサイクルループから作られます。このモードがアクティブのとき、両方のGrain Directionインジケータがアンバーで点灯します。

  • Wavetable Synthesis Engineのピッチは、Pitchノブが中央位置に設定されているときにCノートを生成するようにキャリブレートされています。
  • Pitch Deviationノブは通常通りに機能します。
  • ScanおよびSprayノブは、ウェーブテーブルが導き出されるレイヤー内の位置を変更します。
  • Intensityノブをいずれかの極端な位置に回すと、連続的な振動が無効になります。これらの極端な位置のいずれかで、StrikeボタンとStrike入力を使用して短いノートをトリガーすることができます。これらのノートは連続的な振動よりも15%大きく、連続的な振動を強調するために使用できます。
  • Grain Directionノブを回すと、レイヤー内の録音コンテンツから導き出されるウェーブテーブル間の補間速度に影響を与えます。
  • デフォルトでは、ウェーブテーブルの中心周波数はC2 で130.813Hzです。
  • 中心周波数は設定ファイルで設定できます。

Capture

録音はCaptureボタンまたはトリガー入力、及びOnset Analysisによって開始・ストップします。一つのレイヤー(バッファ)は最大10秒程度録音できます。キャプチャーを開始して何もしないとバッファの最後まで録音を行います。再生レイヤーを途中で変更しても録音は続きます。録音中にCaptureを再度押すと録音を停止します。

Captureジャックへのゲート入力がラッチ(ゲートでキャプチャーのON/OFF切り替え)か、モメンタリー(ゲートHighの間のみキャプチャー)かはShiftとCaptureを押しながらDubを回す操作(後述)、または設定ファイルで切り替え可能です。またキャプチャーボタンを押す/離すどちらの操作で録音を開始するかも設定ファイルで切り替え可能です。

録音先となるレイヤーはα~ζの6つ利用可能で、Layerコントロールで選択します。6つを結合したΩバッファも選択可能です。Ωバッファではα~ζをScanコントロールで選択して再生できます。またバッファディスプレイの色はレイヤーごとに変化します。

Accumulative Recordingモード
デフォルトでは録音は常にバッファの先頭から開始しますが、録音を止めたところから再開できるAccumulative Recordingモードも可能です。Captureを押しながらShiftを押すか、設定ファイルにより可能です。このモードで録音を止めている時、Captureボタンは琥珀色に点滅します。録音位置は、録音ヘッドが10秒のマークを超えて一時停止されると、レイヤーの最初に自動的にリセットされます。 録音ヘッドを手動でリセットするには、Shiftボタンをダブルタップして押し続けてTrack and Holdモードに入り、Captureボタンを押します。

さらに、録音ヘッドを特定の位置に手動で設定することも可能です。
これを行うには、Scanノブを所望の位置に設定し、Shiftボタンをダブルタップして
押し続けてTrack and Holdモードに入り、Strikeボタンを押します。

Overdub
バッファには繰り返し入力音を録音していくことができます。新しい録音後に既存の音をどれだけ残すかはDubコントロールで調整します。またShift+Capture+Strikeを押すことで、現在のバッファ状態をアクティブにセーブすることができます。新しい録音が気に入らない場合、Shift+Strikeを押すことでひとつ前の録音状態にアンドゥします。これを繰り返すと最後にバッファが空になりますが、その状態で再度Shift+Strikeを押すことでセーブした内容をロードすることができます。オーバーダブしながら色々と実験した後、過去のバッファ状態に戻りたいときにこのセーブ機能は非常に便利です。

Layer Decoupling
Arbharでは、録音レイヤーと再生レイヤーに別々のレイヤーを指定することができます。Shiftを押しながらLayerノブを回すと再生レイヤー(LED白)はそのまま、録音レイヤー(LEDアンバー)のみを変更できます。Ωレイヤーを選択するとまた再生レイヤーと録音レイヤーが一致するように戻ります。

Track&Hold

ArbharではShiftを2回押してからノブやボタン操作を行うTrack&Hold機能を使用することで、Shiftを離した時に初めて変化させたパラメータが有効になるよう操作することができます。Shiftを2回押すとバッファディスプレイが緑になりTrack&Holdモードであることを示します。Grain Window, Pitch, Pitch Deviation, Intensityがトラック&ホールドできるパラメータになります。中でもPitchは、トラック&ホールドしながら設定すると音程がクォンタイズされる機能があります。その際ピッチはLayerインジケーターを使って以下のように表示されます

+1 (-11) Semitone: White alpha - B
+2 (-10) Semitones: White beta - A#
・・・
+5 (-7) Semitones: White epsilon - G
+6 (-6) Semitones: White zeta - F#
-5 (+7) Semitones: Amber beta - F
-4 (+8) Semitones: Amber gamma - E
・・・
-1 (+11) Semitone: amber zeta - C#

Expander and Hold CV

エキスパンダーでは、Spray,Layer,Direction,Envelope,Pitch Deviation,Dub,Hold,Dry/WetのCVinが搭載されます。ただし、Hold CV入力は、プリセット機能により次のコントロールのどれかに変更できます

  • Stereo Panning: CVの値によってステレオ幅やパンニングの動きをコントロールします。CVを0から大きくしていくとパンニングされるステレオ幅が狭まります。CVを負の方向に動かすとパンニングがシンプルなコイントスからさらにランダム性を増したものになります
  • Hold CV: HoldパラメータのCVコントロールを行います
  • ステレオリバーブ: CVの値によってリバーブの量やパラメータをコントロールします。CVが正の時リバーブのパラメータをコントロールし、Dry/Wetは固定です。5Vを入力するとリバーブがフリーズします。負の時はウェット信号のみを出力し、シマー的効果を得ることが可能です。
  • Delay: CVの値によってディレイの量やパラメータをコントロールします。ディレイはモノ入力時にはOut1でドライ信号、Out2でウェット信号を出力します。ステレオ入力時にはDry/Wet固定でミックスした信号を出力します。CVは正の時フィードバック66%固定、ディレイタイムを80ms-1000msで動かします。負の時はディレイ時間25ms-1ms、フィードバック99%でKarplus-Strong的な効果を生み出します。

Trig Out & Onset Analysis Setting

Shift+Captureを押しながらLayerノブを回す操作、または設定ファイルから、Trig OutとOnset Analysisの設定を変えることができます。

  • alpha: オーディオ信号のオンセット検出により、録音がトリガされます。 生成されるグレインごとに、Pulse Outputでトリガ信号が生成されます。
  • beta: オーディオ信号のオンセット検出により、録音がトリガされます。 Pulse Outputでゲート信号が生成され、Hold Knobによって設定された期間HIGHを保持します。
  • gamma: 生成される グレインごとに、Pulse Outputでトリガ信号が生成されます。 オンセット分析時に追加のトリガ信号が生成されます。
  • delta: Pulse Outputでゲート信号が生成され、Hold Knobによって設定された期間HIGHを保持します。 Pulse OutputをCapture Pulse Inputに接続し、Hold Knobを録音期間と同じ時間期間に設定すると便利です。
  • epsilon: Strike Buttonを押すと、Pulse Outputでトリガ信号が生成されます。
  • zeta: Follow Modeでの再生時、End of Loop (EOL) トリガ信号を、設定されたループ時間(Hold Knob)の終わりにPulse Outputから出力します

ステレオ入力時にはOnset入力の録音トリガー機能は無効になるため、alphaはgammaと同じに、betaはdeltaと同じになります。 

FILE MANAGEMENT

Arbharのファイル構造
Arbhar v2では、

  • ボタンコンボで設定するものも含めた様々な設定項目
  • 6つのレイヤーに収められたオーディオデータ

の保存/呼び出しが可能です。設定項目は****.txtというテキストファイルで、オーディオはwavファイルの形で格納されます。設定と6つのオーディオをまとめたものをシーンと呼び、1つのシーンは一つのサブフォルダとしてまとめて格納されています。シーンはUSBを挿していない場合も本体に6つ格納されており、下記のLoad/Saveメニューから選択して切り替え可能です。USBにはシーンを6つ格納したバンクを6つ格納することができます。またシーンの設定ファイル中、Load Configuration設定で設定のみを変更しレイヤーのオーディオ内容は変えないことも可能です。この場合はプリセットのみを呼び出します。

本体内のプリセット
本体に格納されているシーンは、上述のLoad Configuration設定により設定のみを変更しレイヤーのオーディオ内容は変えません。色々な使い方に合わせて設定項目だけを一度に変えるために使用します。1〜6のプリセットは以下の通りです。ロードの仕方は後述のシーンの呼び出しを参照してください。各プリセットの完全なパラメータ内容はマニュアル63ページ以降の"Default Presets"を参照してください。

  • Preset1:  Arbhar Classic ファームウェアV1に近い仕様のプリセットです。Mod CVはリバーブにセットされています
  • Preset2: Arbhar Delay Preset1からMod CVがディレイに変更されているプリセットです。 クォンタイズテーブルがオクターブに変更されます。
  • Preset3 Arbhar Stereo: ステレオ入力を想定したプリセット。Onsetモードがデルタに変更されています
  • Preset4 Follow Mode: 再生位置が進んでいくフォローモード用プリセット。Capture CVモードがRetriggerにセットされ、Captureにトリガーを受けるたびに再生位置がリセットされます。またOnsetモードがゼータに設定され、クォンタイズテーブルがオクターブに変更されます。Mod CVがHoldに変更されます。
  • Preset5 Panning Mode: モノ入力をパンニングするモード。Mod CVがパンニングとなり、Onsetモードがガンマとなります。
  • Preset 6 Accumulative Recording Mode: レイヤーの途中からの録音が基本となる追加録音モード。 Onsetモードがデルタとなります

USB内フォルダのリスト
USB内は次のフォルダで構成されています。

  • _arbhar_library: レイヤーにロードするサンプルを格納するためのフォルダです。(バンク番号)_(レイヤー番号)_sample という名前のサブフォルダを6x6=36個まで格納でき、各サブフォルダにはwavファイル1つを格納します。10秒より短いファイルが複数ある場合には、それらを集めてレイヤー上で10秒になるように並べられます。
  • _arbhar_scenes: シーンを格納し、呼び出すためのフォルダです。(バンク番号)_(シーン番号)_scene という名前のサブフォルダを6x6=36個まで格納でき、各サブフォルダには設定を書いた.txtファイルと、レイヤーにロードする用に6つのwavファイルが置かれています。Preset.txt内の設定項目の一つであるLoad Configurationを変えることで、シーン全体を呼び出す以外にも、設定項目のみ、または6つのオーディオのみを呼び出すことも可能です。
  • _updater: ファームウェアアップデートの際に作成されるフォルダです

Load/Saveメニューモード
レイヤーへのオーディオの呼び出しもシーンの呼び出しも、ShiftとCaptureを押しながらStrikeを押してLoad/Saveメニューページに入ってから行います。元のモードに戻るには同じボタンコンボ操作を行ってください。Load/Saveメニューページに入るとバッファインジケーターの色が変わり、次のようになります。

  • レイヤーの呼び出し・コピー: マゼンタ〜紫
  • シーンの呼び出し: 黄色〜赤
  • シーンの保存: オレンジ〜緑

希望のページでない場合は、CaptureとStrikeを押すことで異なるページに遷移し、インジケーターの色もそれに従い変化します。

  • レイヤーのコピー: コピー元のレイヤーを選択後、Load/Saveメニューのレイヤー保存ページ( マゼンタ〜紫)に遷移します。コピー先のレイヤーを選択し、Shiftをダブルタップします。
  • レイヤーのロード: ロードしたいレイヤーを選択後、Load/Saveメニューのレイヤー保存ページ ( マゼンタ〜紫)に遷移します。レイヤーノブを回してサンプルを選択します。Shiftボタンを押している間サンプルをプレビューで聞くことができます。ロードするサンプルが決まったらShiftをダブルタップします。
  • シーンの呼び出し:  Load/Saveメニューのシーン呼び出しページ (黄色〜赤)に移動します。レイヤーノブを回してシーンを選択します。シーンが決まったらShiftをダブルタップします。
  • シーンの保存: Load/Saveメニューのシーン保存ページ(オレンジ〜緑)に移動します。レイヤーノブを回して保存先のスロットを選択します。決まったらShiftをダブルタップします。

レイヤーやサンプルの選択方法について
レイヤー用のサンプルやシーンは、本体上に1バンクx6サンプル(または6シーン)、6バンクx6サンプル(または6シーン)でそれぞれ42ありますが、保存先や呼び出し元として選択する場合はレイヤーノブ単独で選択します。レイヤーノブを回していくと選択しているバンクが本体→USB1→USB2→・・・→USB6と変わり、その中で選択しているサンプルやシーンが切り替わっていきます。

現在のバンクはΩの色で分かり、本体バンクの時はΩが白、USBバンクの時はΩが琥珀色に光ります。さらにUSBバンクの際はα〜ζの中で琥珀色に光るLEDの数でUSBバンクナンバーを表示し、α〜ζで光っている白いLEDの位置でバンク内のどのサンプル(またはシーン)を選択しているかを表示します。例えば本体バンクのサンプル3ならΩが白、γが白となります。USBバンク2のサンプル4ならΩが琥珀色、αとβが琥珀色、δが白となります。表示の動画は こちらご覧ください。

CHEAT SHEET

ボタンを使った設定切り替えの一覧

 機能 ボタン操作

録音レイヤー/再生レイヤーの分離

Shift押しながらLayerノブを回すことで録音レイヤーのみを切り替えます

トラック&ホールド

Shiftをダブルタップして押しながらノブを回します

オンセット切り替え

ShiftとCaptureを押しながらLayerを回します

フォローモードON/OFF

ShiftとCaptureを押しながらScanを回します

出力位相調整

ShiftとCaptureを押しながらHoldを回し、時計回りいっぱいで位相反転しません。反時計回りいっぱいで位相反転します(デフォルト)。ステレオ出力の際は位相反転しないのがおすすめです。

Captureゲート入力のモメンタリー/ラッチング切り替え

ShiftとCaptureを押しながらDubを回し、時計回りいっぱいでモメンタリー、反時計回りいっぱいでラッチです

入力のモノ/ステレオ切り替え

ShiftとCaptureを押しながらGrain window(エンベロープ)ノブを回し、時計回りいっぱいでステレオ、反時計回りいっぱいでモノです。

追加録音(Accumulative recording)モード On/Off

Captureを押しながらShiftを押すことで切り替えます

シーンメニュー(Load/Saveメニュー)に入る

ShiftとCaptureを押しながらStrikeを押します。同じ操作で戻ります。CaptureまたはStrikeでページを切り替えます。
ファクトリーリセット&再起動 ShiftとCaptureを押しながらStrikeを7回押します。

     

    設定項目一覧

    設定ファイル中、例えばパラメータCaptureButtonModeの設定箇所は以下の通りです。/* ...  */で囲まれた箇所はコメントで、パラメータについての説明が記載されています。実際のコードはPARAMETER: CaptureButtonMode: 0の部分だけなので、1から作成する場合はその箇所のみ記載すれば大丈夫です。ファクトリーのプリセットファイルArbhar.txtを参考にしたい場合はこちらをご覧ください。

    /*
    ---------------------------------------------------------------------------------------------
    Capture Button Modes: Latching or Momentary
    ---------------------------------------------------------------------------------------------
    arbhar's Capture Button can be set to Latching or Momentary Modes.

    Latching Modes will activate recording when the Capture Button is pressed and deactivate
    recording when the Capture Button is pressed again.

    Momentary Mode will activate recording as long as the Capture Button is pressed and will
    deactivate recording when the Capture Button is released. This behaviour might be more
    appropriate for certain use cases, including capturing shorter samples when using the
    Accumulative Capture Mode.

    0 - Latching (Default)
    1 - Momentary

    Note: This parameter might overwrite the 'Activate Capture On Button Up' parameter.
    */

    PARAMETER: CaptureButtonMode: 0

    設定ファイル(シーンサブフォルダ中の****.txt)で変更できるパラメータの一覧は下記の通りです

    PARAMETER: Load Configuration: Presets, Layers, and Scenes:
    arbharは、シーンを読み込む際、対象をプリセット、レイヤー、またはシーン全体から選択することができます。

    •  Presetは、設定ファイルに定義されているすべてのパラメーターを読み込み、_arbhar_sceneディレクトリに存在するオーディオファイルを無視します。このオプションは、ディレクトリに設定ファイルのみが存在する場合と同じです。ファクトリープリセットは、この設定になっています。
    • Layersは、_arbhar_sceneディレクトリに存在する最初の6つのオーディオファイルを読み込み、設定ファイルで定義されているすべてのパラメーターを無視します。arbharのコントロール動作は同じままですが、レイヤーのオーディオファイルが置き換えられます。このオプションは、ディレクトリにオーディオファイルが存在する場合、ただし設定ファイルは存在しない場合と同じです。
    • Sceneは、この設定ファイルに定義されているすべてのパラメーターと、_arbhar_sceneディレクトリに存在する最初の6つのオーディオファイルを読み込みます。

    PARAMETER: InputMode:
    arbharは、モノまたはステレオ入力モードの両方で機能することができます。ステレオ入力モードでは、入力が左入力となり、オンセット入力が右入力となります。感度ノブは、オンセット入力のレベル制御として機能します。

    PARAMETER: AnalogEmulation:
    arbharでは、ステレオ入力モードで左右の音質が均一になるよう、オンセット入力のアナログエミュレーションが可能です。

    PARAMETER: PhaseSwitch:
    デフォルトでは、arbharのOutput 2はOutput 1から位相が反転しています。
    •モノ入力/モノ出力のパッチングを希望する場合、Phase Switchをphase-invertedに設定します。モノ入力/ステレオ出力のパッチングを希望する場合、Phase Switchを位相補正に設定します。ステレオ入力/ステレオ出力のパッチングを希望する場合、Phase Switchをphase-correctedに設定します。

    PARAMETER: CaptureCVMode:
    ArbharのCVによるキャプチャー動作は、Momentary Capture Mode、Latching Capture Mode、およびRetrigger Capture Modeの3つのキャプチャモードのいずれか1つに設定できます。
    • Momentary Capture Modeは、Capture Pulse Inputでの信号がHIGHの状態で保持されている間、記録を行います。これはゲート信号での使用が最適です。
    • Latching Capture Modeは、Capture Pulse Inputで上昇エッジ信号を受信すると記録を開始し、別のハードエッジ信号を受信するまで記録を続けます。これはトリガーシグナルでの使用が最適です。
    • Retrigger Capture Modeは、Capture Pulse Inputで上昇エッジ信号を受信するたびに記録を再開しますが、キャプチャの状態に干渉しません。

    PARAMETER: CaptureButtonMode:
    arbharのCapture Buttonは、LatchingモードまたはMomentaryモードに設定することができます。
    • Latchingモードは、Capture Buttonが押されたときに録音を開始し、Capture Buttonが再度押されたときに録音を停止します。
    • Momentaryモードは、Capture Buttonが押されている間は録音を開始し、Capture Buttonが離されたときに録音を停止します。この動作は、Accumulative Capture Modeを使用して短いサンプルをキャプチャする場合など、特定の使用ケースに適しているかもしれません。

    PARAMETER: ActivateCaptureOnButtonUp:
    ボタンを押す動作またはボタンを放す動作で録音するように設定することができます。
     デフォルトでは、Capture Buttonを押すと録音が開始されます。このパラメータは変更することができ、Capture Buttonを放したときに録音が開始されるように設定できます。この動作は、Accumulative Capture Modeを使用する場合や、内蔵のコンデンサマイクを使用してボタンのノイズの録音を最小限に抑える場合など、特定の使用ケースに適しているかもしれません。

    PARAMETER: AccumulativeCaptureMode:
    このモードでは、レイヤー内の異なる位置で異なる録音を連続的に組み合わせることができます。有効にした場合、Capture Buttonを押すと、レイヤーの開始位置にリセットするのではなく、レコードヘッドが一時停止します。

    PARAMETER: LinkAccumulativeRecordingCaptureAsGate:
    arbharは、Accumulative Capture ModeとCapture Button Modeをリンクさせるよう設定することができます。 これにより、Accumulative Capture Modeが有効になったときにCapture Button Modeをアクティブにするためのリンクが可能になります。

    PARAMETER: OnsetMode:
    Arbharには、新しい音のイベントの開始を推定するために、入力音声の顕著なスペクトル変化を分析する6つのOnset Controlモードが搭載されています。これらのモードは、alpha、beta、gamma、delta、epsilon、およびzetaです。

    PARAMETER: StrikeButtonToTrigger:
    arbharは、押されたときにPulse Outputでトリガーシグナルを生成するようにStrikeボタンを設定できます。  この機能が無効になっている場合、Strikeボタンを押してもPulse Outputでトリガーシグナルは生成されません。この機能が有効になっている場合、Strikeボタンを押すとPulse Outputでトリガーシグナルが生成されます

    PARAMETER: StrikeCVDelay:
    Arbharは、Strike Inputにトリガー遅延を適用するように設定できます。 これは、Strike Inputの遅延時間に追加される時間を定義します。この遅延を調整することで、トリガーシグナルがCVより前に発生する場合にサンプル&ホールドの精度を向上させるのに有効です。

    PARAMETER: FollowMode:
    Arbharは、ScanモードまたはFollowモードのいずれかに設定することができます。
    • Scanモードでは、Scanノブでレイヤーを移動し、任意のポイントで再生位置を設定してオーディオ再生をフリーズします。
    • Followモードでは、オーディオ再生は内部でトリガーされ、指示され、Scanノブは記録されたグレインが進行する速度制御となります。このモードでは、ピッチ制御とは独立してレイヤーの再生速度を変更することができます。Scanノブは、20倍速(完全に反時計回り)から1/20速(完全に時計回り)までの速度を制御します。

    PARAMETER: FollowSpeedDirection:
    Arbharは、Followモードでの再生速度制御(Scanノブ)の動作を設定することができます。
    • 単方向(Unidirectional)では、再生位置は前進のみとなります。Scanノブが完全に反時計回りに設定されている場合、再生速度は最も遅くなります。Scanノブが完全に時計回りに設定されている場合、再生速度は最も速くなります。
    • 双方向(Bidirectional)では、再生位置は前進またはリバースで動くように設定されます。Scanノブが中央位置に設定されている場合、再生速度は最も遅くなります。Scanノブが完全に時計回りに設定されている場合、再生速度は前進方向で最も速くなります。Scanノブが完全に反時計回りに設定されている場合、再生速度はリバース方向で最も速くなります。
    • 反転単方向(Inverted Unidirectional)は、再生位置が前進のみとなります。Scanノブが完全に反時計回りに設定されている場合、再生速度は最も速くなります。Scanノブが完全に時計回りに設定されている場合、再生速度は最も遅くなります。これは単方向と同じですが、Scanノブの動作が反転しています。

    PARAMETER: FollowScanOffset:
    Arbharは、Followモードの再生速度がScanノブおよびScan CV入力によって制御されるように設定されている場合、FollowモードでScanオフセットを設定することができます。

    PARAMETER: FollowPositionOffsetWithScanCV:
    Arbharは、FollowモードでのScanノブおよびScan CV入力の動作を設定することができます。 ScanノブおよびScan CV入力は、再生速度、Scanオフセット、またはその両方を制御するように設定することができます

    PARAMETER: FollowLoop:
    Arbharは、Followモードでのプレイヘッドのループ再生を有効または無効にすることができます。
     Followモードのループが無効に設定されている場合、Followモードの速度制御の双方向オプションも省略され、自動的に単方向に設定されることに注意してください。

    PARAMETER: FollowSetLoopLengthWithHold:
    Arbharは、Followモードでのループ再生の長さをHoldでコントロールすることができます。 レイヤーの終わり(EOL)のトリガーシグナルは、Followモードのスキャンオフセットでトリガされ、ホールド期間の間ループすることができます。これは、zeta Onset Controlモードで利用可能な同じEOLトリガーシグナルです。

    PARAMETER: RandomTimingWithRandomIntensity:
    Arbharは、粒のランダムなタイミングを設定することができます。
    Intensityノブを中央の位置から完全に時計回りの位置に回すことで、内部でトリガーされた粒のランダムなタイミングを適用することができます。

    PARAMETER: RandomAmpWithRandomIntensity:
    Arbharは、グレインの新服をランダムに設定することができます。 Intensityノブを中央の位置から完全に時計回りの位置に回すことで、内部でトリガーされた粒のランダムな振幅を適用することができます。

    PARAMETER: ModCV:
    Mod CV Inputのターゲットを設定できます。

    PARAMETER: WavetableCentreFrequency:
    Wavetableモードの中心周波数をHzで設定することができます。

    PARAMETER: QuantiseTable:
    Pitch Deviationノブの時計回り側の挙動で利用可能なピッチ変化を設定できます。Pitch Deviationノブの時計回りの各ステップで、リスト内の数字のペアと、Pitchノブで設定された「オリジナル」のピッチがPitch Deviationパラメータとして使用されます。

    Firmware Update

    ファームウェアのアップデート手順は以下の通りです。

    1. こちらから最新のファームウェアをダウンロードします。
    2. .isoや.imgファイルを焼けるオープンソースソフト、‘balenaEtcher'をダウンロード、インストールします。
    3. マイクロSDカードをコンピューターに接続します。
    4. balenaEtcherを立ち上げ、"Select image"からファームウェアのzipファイル(イメージファイルを圧縮したもの)を選びます
    5. Flash!を押します
    6. 完了したらSDカードを取り出し、電源を切った状態でモジュールに戻し、パッチケーブルをささない状態で電源を投入します。
    7. モジュールは新しいファームウェアをロードします
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