Befaco Pony VCO
Format: Eurorack
Width: 4HP
Depth: 30mm
Current: 32mA@+12V, 25mA@-12V
Format: Eurorack
Width: 4HP
Depth: 30mm
Current: 32mA@+12V, 25mA@-12V
Pony VCOは、ウェーブフォールダーとVCAを内蔵する、完全アナログのスルーゼロ・オシレーターです。Sound Semiconductors社製SSI2130 VCO ICのパワフルなコアによる、優れた安定性とチューニング能力を提供するこのコンパクトなモジュールは、オクターブ設定や波形選択はもちろん、LFO領域での作動を可能にするレンジ選択機能を備えます。
また、同一の機能と操作レイアウトの1Uフォーマット版も用意されています。
Pony VCOは完全アナログのオシレーターであるため、最低15分ほどのウォーミングアップを実行してから使用することが推奨されています。 これによりオシレーターのコアが理想的な温度に達し、トラッキングの安定性が保証されます。
従来のVCOの場合、周波数は正極の電圧でコントロールされます。電圧と周波数の関係は比例、つまり電圧が上がるほど周波数も増加することを意味します。
VCOのチューニング・コントロールは、正極の様々な電圧を適用することで周波数を変調しますが、モジュラーシンセにおける周波数は、例えば他のVCOなどの負極の電圧を含む外部信号からもコントロールされます。
オシレーターが備える標準的なFM入力では、着信するあらゆる電圧はマニュアル・コントロールの設定値に加算されます。この入力に負極の電圧を送った場合、この値は現在の電圧値から減算されるため、オシレーターの周波数は遅くなります。
この入力に着信する負極の電圧が現在の値よりも高い場合は、オシレーターは停止し、FM入力への電圧値がゼロ以上になると再び発振します。
スルーゼロ・オシレーターの場合、周波数は正極と負極、両極の電圧でコントロールされます。一般的なVCOとは異なり、FM入力への電圧がゼロ以下になった場合でも、コアはその位相を反転して発振を続けます。
例えば、FM入力に5Vが入力され、VCOが523Hz(C5)で発振しているとします。スルーゼロVCOでは、FM入力に-5Vを入力した場合でも出力は同様に523Hz(C5)で、異なるのは出力波形の位相反転のみとなります。
このわずかな作動の変化が、一般的なVCOでは得ることの出来ない、全く新しい領域の音色の作成を可能にします。
Pony VCOに内蔵のウェーブフォールディング回路はサイン波、三角波、およびノコギリ波に適用できます。ウェーブフォールダー回路は、入力信号が特定のスレッショルド(閾値)に達した場合に波形の向きを反転して折り畳みます。
一般的には、この作動を複数回実行することで、入力信号がシンプルなものであっても極めて複雑なサウンドを作成します。
フォールディング量(Timbre)を増加させることでスレッショルド値が下がり、波形が折り畳まれる回数が増加します。Timbreパラメータは、処理の際に波形全体を二度折り畳むことで、前述のTZ-FMとの使用に最適な複数の新しい倍音を加えます。
矩形波を選択した場合、Timbreパラメータはバイポーラーのパルス幅変調コントロールへと機能を変えます。このコントロールでは、矩形波がサイクル毎に最大レベルになる時間の量を設定します。
通常これはデューティサイクルの割合で計測され、Timbreコントロールの中央位置、50%のデューティサイクルが初期値で矩形波の最大レベルと最小レベルの時間比が同じとなります。Pony VCOがカウントできるPWM範囲は広く、極めてタイトなパルス幅を得ることができます。
これはモノフォニックの'ストリング'や'コーラス'のようなサウンドの作成に特に便利です。なお、Pony VCOのPWM回路はデューティサイクルの全範囲をカバーするため、Timbreの最小値と最大値では発振が停止します。
この入力への信号は、オシレーター・コアを自身のサイクルでリセットします(ハード・シンク)。使用する信号は、パルスやノコギリ波などの鋭い上昇エッジを持つ波形が最良の結果となります。
コアの同期に使用する信号がコアの周波数とオクターブ関係にない場合、波形の形状が破壊されることで、興味深いリッピング・トーンを作成します。
Pony VCOは、外部信号を用いてオシレーターの振幅を変調できる専用のVCA回路を内蔵します。この回路はリニア応答であり、外部信号の形状がVCAの影響を受けないため、減算とAMタイプの両方で理想的な結果となります。