Mutable Instruments Beads
Format: Eurorack
Width: 14HP
Depth: 25mm
Current: 100mA@+12V, 10mA@-12V
Manual (English)
Format: Eurorack
Width: 14HP
Depth: 25mm
Current: 100mA@+12V, 10mA@-12V
Manual (English)
Beadsは、入力オーディオ信号のライブ・グラニュラー処理を目的とする、Cloudsの再発明です。より鮮明で幅広いサウンド・パレット、より多くのコントロール、より優れた操作性、刺激的な新機能への直接アクセス等、これらの実現を目標にBeadsのハードウェアとソフトウェアはゼロから再設計されました。
Beadsの大幅に改善された仕様によって、より高いオーディオ品質、より長いバッファ、より優れた補間およびアンチエイリアシング・アルゴリズムの使用、および主要なDSPブロックをより高速で実行できます。グラニュレーションは、フォルマント、ウェーブテーブル、ハードシンクのようなサウンド、またはクリスピーなノイズなど、新しい領域へと入ることが出来ます。
Beadsがどのように動作するかを思い描くには、着信オーディオが継続的に録音されるテープループを想像します。グレインの再生をリクエストするたびに(トリガー、ボタン操作、定期的、またはランダムに)新しい再生ヘッドがテープに沿って配置されます。この再生ヘッドが動かないとしたら、オーディオは元のピッチと速度で再生されますが、録音ヘッドに近づいたり遠ざかったりすると、信号は異なるピッチと速度で再生されます。この再生ヘッドは独自の振幅エンヴェロープを持ち、振幅がゼロになるとテープの元を離れます。
ここで、テープに沿って最大で30個の再生ヘッドが飛んでいると想像してみて下さい。テープに録音された着信オーディオを停止することができて、これらすべての小さな再生ヘッドが自由に動き、音を集めることができると想像してみてください。内蔵のリバーブも使うことが出来ます。
Beadsは、実際にはテープの代わりにRAMを使います。この説明では、この仮想テープを記録バッファを呼びます。
録音品質はAudio Quality Selectorボタンをクリックして選択します。
Latched
SEEDボタンを4秒間押し続けるか、SEEDボタンを押しながらFREEZEボタンを押すことで有効になるLatchedグレイン生成モードは、モジュールの電源投入時の基本設定となります。SEEDボタンは照光状態で、明るさがゆっくりと変調されてラッチングが有効であることを示します。
このモードでは、DENSITYノブで設定され、DENSITY CVでモジュレートされた速度で連続的にグレインが生成されます。DENSITYノブ12時の位置ではグレインは生成されず、時計回りに値を増やすことでランダムに変調された速度で、反時計回りでは周期的な速度でグレインが生成されます。どちらも値が増えるほどグレイン間の間隔が短くなり、最大値ではC3ノートの周期に達します。
Clocked
前出のLatchedグレイン生成モードの有効時、クロックやシーケンスなどの信号がSEED CV入力にパッチされると、DENSITYノブの機能が分割または確率コントロールに変更されます。ノブが12時の位置ではグレインは生成されず、時計回りに値を増やすことで外部信号によってトリガーされるグレインの確率が上昇(0%から100%)、反時計回りでは分周比が増加します(1/16から1)。
Gated & Triggered
SEEDボタンをショートクリックし、Latchedグレイン生成を無効にします。このモードでは、SEEDボタンが押されるか、SEED入力へパッチされたゲート信号がハイの間だけグレインが生成されます。DENSITYノブはグレインのリピート率をコントロールします。ノブが12時の位置ではSEEDボタンを押すたび、またはSEED入力へのトリガー毎に単一のグレインのみが再生されます。
グレインのDENSITYがオーディオレートに達すると、DENSITY CV入力は1V/Octスケールでこのレートに指数型FMを適用します。
Time, Size, Shape, Pitchの各グレインパラメータ専用のアテニュランダマイザーは、対応するパラメータの外部CVモジュレーション量をコントロールするか、CV入力をランダム化およびスプレッド・コントロールとして再利用します。
対応するCV入力にケーブルがパッチされている場合、12時から時計回りに値を増やすことで外部CVモジュレーションの量を増加、反時計回りではランダム化のCVコントロール量を増加します。
CV入力へのパッチがない場合、アテニュランダマイザーは不揃い(Peaky / 12時から反時計回り)の、または一様(Uniform / 12時から時計回り)の分布を持つ、独立した内部ランダムソースからのランダム化の量をコントロールします。不揃い(Peaky)な分布からのランダム値は中間値に向かってクラスター化されるため、極端な値は滅多に生成されません。
図はBeadsのシグナルフローを示したものです。Feedbackコントロールは、入力信号とミックスされて処理チェーンに戻される出力信号の量を調整します。Beadsの4段階の品質設定は、エミュレートするメディア毎に、クリーンなBrickWall-Limitingから草臥れたテープ・サチュレーションまで、異なるフィードバック振幅制限スキームを採用しています。
Feedback, Dry/Wet Balance, Reverb Amountの3つのパラメータは割り当て可能なCV入力経由での外部モジュレーションに対応します。アサイン先の選択にはAssignable CV入力の上に配置されたDesination Selectorボタンを使用します。
Dry/Wet Balance, Reverbを通過後、信号は最終出力へと流れます。録音バッファがモノラル/ステレオどちらの場合でも、Beadsの信号処理チェーンは常にステレオです。出力Rにパッチがない場合には、RとLの両信号は合算されて出力Lに送信されます。また、グレイン・パラメータのいずれかがランダム化されているか、ランダムな速度でグレインが生成されている場合、それらのパン位置もランダム化されます。また、Destination Selectorボタンを押しながらSeedボタンを押す事で出力Rからのグレイン・トリガー信号生成のオン/オフを切り替えることが出来ます。
Sizeノブを時計回りの最大位置(∞)に設定すると、BeadsがDelayまたはBeat Slicerに変わります。この時、バッファから継続的に読み取っているグレインのみが永久にアクティブの状態となります。基本となるディレイ時間(スライス持続期間)はマニュアル操作、タップ、または外部クロックでコントロールできます。
Manual Control
SEED入力へのパッチがなく、SEEDボタンがラッチされている場合、DENSITYノブおよびCVを使ってディレイ時間を自由にコントロールできます。ノブが12時の位置の時、基礎ディレイ時間はバッファ全体の長さに相当します。反時計回りに値を上げるほどディレイ時間は短くなり、最大値ではフランジャーやコム・フィルタリング効果を可能にするオーディオ・レートに到達します。時計回り方向では、ディレイに不等間隔のタップを追加します。
Clocked or Tap-tempo Control
SEED入力へ外部クロックがパッチするか、SEEDボタンをリズミカルにタップする事で、基礎ディレイ時間を設定することが出来ます。DENSITYノブは、この期間のサブディビジョンを選択します。ノブを12時の位置から遠ざけるほど短いサブディビジョンが使用されます。反時計回り方向では2進のサブディビジョンのみが使われ、時計回り方向では幅広い比率を選択できます。
Delaying or slicing
FREEZEが作動していない場合、BeadsはDelayとして動作します。TIMEノブは、DENSITYパラメータ、または外部クロックやタップで設定された基礎ディレイ時間の倍数で実際のディレイ時間を選択します。
FREEZEが作動中の場合、記録バッファの断片(Slice)が継続的にループされます。Sliceの持続期間は基礎ディレイ時間に等しいものになり、TIMEノブはどのSliceが再生されるかを選択します。
SHAPEノブは、リピートにテンポに同期したエンヴェロープを適用します。通常動作では、ノブを反時計回りに絞りきります。
PITCHパラメータは、ディレイ信号にクラシカルなロータリーヘッド・ピッチシフティング効果を適用します。ノブが12時の位置では、ピッチシフトは無効になります。また、ゆっくりなランダムLFOが内部でアテニュランダマイザーにルーティングされます。
両オーディオ入力にパッチがない状態が10秒以上続くと、Beadsに内蔵されたMutable Instruments Plaitsのウェーブテーブル・モデルからの波形バッファをグラニュライズします。このモードでのFeedbackは8つの波形バンクのどれを再生するかを選択、FREEZEはグレインのエンヴェロープを停止して新規グレインの生成も停止、Dry/Wet Balanceは他のモード同様に連続的なオシレーター信号とグラニュライズ処理後の信号のバランスを調整します。Audio Quality Selectorボタンは出力解像度を選択します。
なお、PITCH CV入力はPITCHアテニュランダマイザーの位置に関係なく、常に1V/Oct CV入力として機能し、グレインのルートノートに影響を与えます。PITCHアテニュランダマイザーは、常にグレインのピッチランダム化の量をコントロールします。