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Interview with Designers: Pikamachi (Hikari Instruments)

日本を代表するガレージモジュラーメーカーとなったHikari InstrumentsのPikamachi氏が語る過去と未来

2014年にスタートし、アナログモジュールやカオティックなサウンドのスタンドアロンデバイスを中心にリリースを続け、今や日本を代表するモジュラーシンセメーカーとなったHikari Instruments。デザインの秘訣や将来の展望について、代表のPikamachi氏にインタビューを行いました!

Hikari Instrumentsがいつ、どのようにして始まったのか教えてください。

もともと機材が好きで、古いリズムマシンやエフェクターを使ってライブ活動をしていました。その頃から、MIDI以前の機材を好んで使っていて、リズムマシンの同期もDIN SYNCで行っていました。

ただ、DIN SYNCはメーカーによって規格が異なり、速度が半分になってしまうことがあるんです。それを合わせるために、KORGのKMS-30を使ってクロックを半分にしていたのですが、逆に2倍にすることができませんでした。その方法を探している中で、モジュラーシンセなら簡単にクロックを2倍にできると知りました。

ちょうどその頃、当時まだバンドをやっていた野本さんと友人だったこともあり、彼がモジュラーシンセのイベントでライブをするということで、2013年に開催された第1回Tokyo Festival of Modularに行きました。そこでガレージメーカーの数々やユーロラックモジュールの可能性を目の当たりにして、大きな刺激を受けました。

それをきっかけにモジュラーシンセを始めようと思ったのですが、ケースや電源が数万円もすることを知って驚きました。当時はハードオフで数千円の機材を買っていたので、音が出ない部分にそれだけの金額をかけるのがどうしても納得できなかったんです。

そこで「自作できるのでは」と思い、野本さんからモジュラーシンセ一式を借りて研究し、自分用のケースと電源を作りました。その流れで、以前から欲しかったシーケンサーも自作し、Analog Sequencerを作りました。

作ったモジュールをSNSに地味にアップしていたところ、マッチングモヲルのベンさんからありがたいことに「欲しい」と連絡をいただき、少量生産を始めました。その頃、CLOCKFACEのリンタロウくんからも「モジュラーシンセのお店を始めるから、販売してみない?」と声をかけてくれたよね。また、宮地楽器もモジュラーシンセの取り扱いを始めた時期で、ちょうどシーンが広がり始めていたタイミングだったと思います。

ちょうどそのタイミングで第2回Tokyo Festival of Modularの開催を知り、主催のDaveとはライブで一緒になったことがあったので、「これから少し販売しようと思っているのですが、出展できますか?」と相談したところ、「新しいメーカーは応援するよ、ぜひ出てほしい」と背中を押してもらいました。

そうして2014年の第2回Tokyo Festival of Modularに、Hikari Instrumentsとして出展したのが始まりです。

回路設計や半田付けについてどのように学びましたか。

大学は工学部でしたが機械工学科で、その後は電機メーカーに就職し、回路設計ではなく筐体設計を担当していました。回路設計については、インターネットで回路図を調べたり、周囲の人に助けを求めたりしながら、独学で学びました。

半田付けは、以前勤めていた会社で「技術者は全員できなければいけない」という謎ルールがあり、そこで身につけました。

オフィスでの仕事のやり方を教えてください。他に誰か手伝ってくれる人はいますか?

Hikari Instrumentsは、自分が好きなように製品を作りたいという思いで始めたので、基本的には一人でやっています。初期にデジタル製品を作っていた頃は、詳しい友人にソフトウェアを手伝ってもらうこともありましたが、現在は基本的に一人です。

ただし、キャップの取り付けなどの単純作業は子どもに手伝ってもらうこともありますし、妻がデザインについて時々口出しをします。

基板製作やSMT実装(表面実装パーツの基板へのマウントのこと)は中国の業者に依頼し、パネルは日本の業者に製作をお願いしています。その後、手半田が必要な部品を実装し、パネルに組み込み、検査・梱包・出荷までを自分で行っています。

平日どのように仕事をしているか、1日の流れを教えてください

午前中は比較的集中して作業していて、在庫が少なくなっている製品の半田付けや組立、出荷検査、梱包などを行っています。いわば「一人工場」ですね。子どもの頃の夢が「プラモデルを作る人になる」だったので、それに近い感覚があります。

細かい作業が多いせいか肩こりがひどいので、途中でウォーキングをはさみつつ、午後は部品の発注や経理的な作業も行っています。

そうした既存製品の製造の合間に、新製品のデザインや開発を進めているといった流れです。

 

すごいCDのコレクションですね。CDは今も買っているのでしょうか?影響を受けた音楽があればいくつか教えてください。

CDは今も増え続けているので置き場には困っています。それでもつい買ってしまうので、プラケースを捨てて薄くしたりして必死に収納してます。
今の時代はサブスクが主流だと思うのですが、新しいものを探すのに使ったりはしますが、気に入るとジャケットも含めて物理的なものとして、どうしても持っていたいってなるんです。
影響を受けた音楽は書ききれないほどありますが、今思いつくところだと、竹村延和、BOREDOMS、David Tudor、CHAOS UK、Beastie Boys、BUCK-TICK などですね。


完成までに一番苦労した製品はなんですか。

一番かどうかは難しいですが、Duosはかなり試行錯誤した製品です。機能やノブの数、配置を何度も見直しました。

最初はMonosのようにすべてスライダーで構成していて中央の大きなノブもなかったのですが、妻がこのノブが良いと言ったこともあり、最終的に現在の形に落ち着きました。

メーカーを始めて最も印象的だったことは?

一番を挙げるのは難しいですが、アーティストの方々から依頼をいただいたり、自分の製品を使っていただけることは特に印象的です。

特に、以前から憧れていた灰野敬二さんと一緒にシンセを製作したことや、world's end girlfriendからDuosにギターを接続できるようにしてほしいと依頼を受けたことは、とても印象に残っています。メーカーをやっていなければ出会えなかった方々と交流できているのは、本当に嬉しいですね。

Hikari Instrumentsの特徴や目指すところがあれば教えてください。

「シンプルだけど面白い」「単純だけど奥が深い」という点を意識しています。また、ライブで直感的に操作できるように、ノブの配置にもこだわっています。スライダーを多用しているのも、見た目の好みだけでなく、位置が一目で分かりやすく、指一本で複数を同時に操作しやすいからです。

さらに、自分でも使い方が一つに定まらないような機能をあえて入れて、ユーザーに使い方を委ねる余白も大切にしています。

また、デザインにも強くこだわっていて、パネルデザインによって部品選定や配置、さらには機能まで変えることもあります。これは、商品企画・資材調達・回路設計・機構設計・組立までをすべて一人で行っているからこそ可能なことで、通常の企業では部門が分かれているため難しい部分でもあります。こうした柔軟さは、ガレージメーカーの強みだと思っています。

今後作りたいモジュールはありますか?

VCOなど、いろいろと考えてはいるのですが、気が変わるかもしれないのでこのくらいにしておきます。

これからモジュラーシンセを始める人にアドバイスをお願いします。

まずは1つだけモジュールを買って使ってみることをおすすめします。
そこから「次に何が必要か」を考えて少しずつ揃えていくのが良いと思います。

例えばフィルターを1つ買って、手持ちのリズムマシンに繋いで遊ぶ。
次に「モジュレーションしたい」と思ったらエンベロープやLFOを追加する。
やはり音源が欲しいとなってVCO、そしてシーケンサー…というように、自然にシステムが広がっていきます。


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